検索窓
今日:4 hit、昨日:42 hit、合計:39,313 hit

. ページ25

「あれ?Aは?」

 宇田川たちと飲んでいたのであろう颯一郎が、キョロキョロと周りを見渡す。すると近くにいた宗が

「隅っこで寝ちゃってる」

 と答えた。

「あー、なるほど」

 颯一郎は納得して、そちらへ歩いていく。そしてAの隣に座って肩を揺すった。

「おーい、A?」

 しかし返事はない。代わりに小さな寝息が聞こえた。颯一郎は苦笑すると、そのまま自分も横に座る。颯一郎はスマホを取り出して、Aの寝姿を写真に収めた。

「何盗撮しとんの、そーいち」

「由伸」

 由伸が笑いながら颯一郎に話しかけてくる。そしてAの寝顔を見ると、頬をツンツンとつついた。

「ほんま可愛い」

「……」

 Aを見つめる由伸の顔つきに、じわ、と胸の中に何かが広がった。

「よしのぶ、ツンツンすんな」

 いつの間にか起きていたAは由伸の名前を呼んで、彼の袖を引っ張った。すると由伸は優しく笑ってAの頭を撫でる。

「はいはい」

 そう言って立ち上がると、颯一郎の方を見て言った。

「そーいちも飲みすぎんなよ」

「わかってるって」

 颯一郎はそう答えてビールを飲むと、そのままチームメイトたちの輪の中へ戻っていった。

.→←第9話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (48 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
184人がお気に入り
設定タグ:オリックス・バファローズ , 山崎颯一郎 , 男主   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:usa426 | 作成日時:2023年11月1日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。