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「かんぱーい」
「うぃー」
ビールの入ったジョッキをカチンと合わせる。一口飲むと、シュワっとした感覚が喉を通り過ぎていった。
「んー……うまい」
「Aはビール好きやな」
「ん？俺、お酒あんまし飲まんよ？」
Aは不思議そうな表情を浮かべて、焼き鳥を食べる。颯一郎はそんなAの頬を指でつついた。
「むぐ……なんやねん、ツンツンすんなやぁ」
「ふはは」
そう言って颯一郎は笑う。Aはそんな颯一郎を横目に、ビールをグッと飲み干した。
「っぷはぁ……」
「いい飲みっぷり」
「焼き鳥食べながら飲むのが1番うまいんよ」
そう言ってAは串を取ると、1番小さい鶏肉をパクリと食べる。そんなAの様子を見て、颯一郎はまた笑った。
「なんで笑っとるん？」
「可愛いなって」
「俺より可愛い子いっぱいおるやろ？」
「Aが1番可愛い」
そう言って颯一郎はビールを飲み干す。Aはそんな颯一郎に、呆れたようにため息をついた。
「そーいち酔っとるやん。俺は可愛くないって言うとるやろ」
「可愛い」
「はぁ……」
Aは呆れたようにため息をついて、焼き鳥を食べ進める。颯一郎はそんなAに構わず、ビールを注文した。
「まだ飲むん？」
「うん。うまいやん」
颯一郎は焼き鳥を食べながらそう答える。Aはそんな颯一郎の隣で、ちびちびとビールを飲んだ。そして2杯目を頼むと、またそれを飲み干す。すると段々と眠くなってきたのか、頭がふわふわとしてきた。
「えへぇ……そーいちぃ〜頭ふわふわすりゅ〜」
「飲みすぎやで、A」
「まだまだ飲みたりへーん！おしゃけのむー！」
「はいはい、もうやめとき」
そう言って颯一郎はAの手からジョッキを取り上げる。するとAは不満そうに頬を膨らませた。
「なんでとるんー？」
「これ以上飲んだらあかんから」
「じゃあそーいちが飲んどいてや」
Aは颯一郎のビールをグイッと飲む。そしてそのまま机に突っ伏した。
「ちょ、A！？大丈夫！？」
そんな颯一郎の声にも応えず、Aはすやすやと寝息を立て始める。颯一郎はそんなAにため息をついた。
「ったく……」
そう言って颯一郎は会計を済ませる。そして眠ってしまったAをおぶって帰路についた。
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作者名：usa426 | 作成日時：2023年11月1日 23時
