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ホテルの外へ出ると、夕方ということもあり少し寒い。Aは体を温めるがてら、ランニングをすることにした。
「タク、かけっこしようや」
「は?」
「よーいドン!」
 そう言ってAは全力で走り出した。先に走り出したこともあり、最初の方はリードしていたのだが、やはりタクの足の速さには負けてすぐに追いつかれてしまった。
「はー、っ……はっ……はぁ……」
「ちょっ、Aくん、大丈夫ですか?」
「ふっ、は……」
 大丈夫じゃないというふうに手を振って公園のベンチに沈む。
「お水いりますか?」
「いる……」
 差し出された水に手を伸ばして一気に飲む。半分くらいしか入っていなかったので一瞬で飲み干してしまった。
「ぷは、ありがとうな、タク」
 そういうとなぜかタクは顔を赤くして目を逸らしてしまった。
「タク?」
「何もないです、そろそろ戻らないと、晩ごはんに間に合いませんよ」
 捲し立てるように言って、タクは後ろを向いて歩き出した。
「あ!待ってや!」
 Aは急いで後を追いかけた。
「タクー」
「……」
「なあー」
「……」
「拓夢」
「なんですか、ていうか名前呼び」
「いややった?」
「ずるいです」
「ずるくないやろ、別に(笑)」
「いや、まあ、嫌ではないですけど」
「じゃあいいやん」
「はいはい」
「タク」
「なんですか?」
「たまにやけど、拓夢って呼んでいい?」
「え」
「……なんてな、冗談や、タクって呼ぶ方がいいやろうし、これからもタクって呼ばしてもらうわ」
「別にいいですよ」
 ボソリと何かを言われる。
「ん?なんて?」
「もういいです」
「え、ごめんやん。晩ご飯ちょっと分けたるから」
 そんな会話をしながら、2人はホテルへ戻った。

.→←ep2-1 -宮崎キャンプ初日夜-



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設定タグ:男主 , 中野拓夢 , 侍ジャパン   
作品ジャンル:恋愛
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てるてる坊主(プロフ) - ザキさん最高w更新待ってます! (7月27日 14時) (レス) @page46 id: 7989449218 (このIDを非表示/違反報告)
えど(プロフ) - 雰囲気すごく好きです!頑張ってください! (7月17日 3時) (レス) id: 67d2f217ce (このIDを非表示/違反報告)
てるてる坊主 - 中野君です!返信ありがとうございます! (7月15日 15時) (レス) id: 7989449218 (このIDを非表示/違反報告)
usa(プロフ) - てるてる坊主さん» ありがとうございます!!!もしよければその推しさんのお名前を教えてくださらないでしょうか…!短編とかのネタにしたいです! (7月15日 14時) (レス) id: 15f5f97ad6 (このIDを非表示/違反報告)
てるてる坊主 - 初コメ失礼します。僕の推しが出ててびっくりしてるうえに尊いです。これからも頑張ってください!応援しています! (7月15日 12時) (レス) id: 7989449218 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:usa | 作成日時:2023年7月5日 12時

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