【番外編3】例のダンス ページ49
「こうキラキラーって左から右に……」
「こう?」
「えーっと、顎の下に手添えて……」
さっきから広報さんがダンスのお手本をやってくれているが、Aはあまりよく理解できていなかった。
「わかった、こうですか?」
「逆ですね……」
「あれ?おかしいな」
「もう1回、振り付け確認しますか?」
「こう、『かーがやく』のとこから、左……右……ってして……ですよね」
「そうです!で、左手で右胸からトントントンって感じで……そうです、で、両手で耳作って、ガオーです!」
Aは手をちょっと曲げてガオーとやってみる。すると、なぜか広報さんの後ろにいるチームメイトたちが胸を押さえていた。
「やられた、可愛さにやられた」
「ナルさん可愛すぎん?」
「わかるわ」
「虎じゃなくて猫」
「あれが動画になるとか、俺たちのナルさんやのに」
などなど口々に何かを言ってきている。
「えっ、なに?ちょっ、はよ練習行きや。そこの角におるのも」
「ういーっす」
みんなはゾロゾロと名残惜しそうに出てきた。
「いや、多すぎるやろ。そんなに俺のダンス見たいん?」
Aがそういうと、最近よくロッカールームなどで一緒に喋る翔太が
「見たいです!あとナルさん、エスコンで狐ダンス踊ってたじゃないですか。動画ありますよ?」
と言ってくる。
「うわ、撮られとったん……念のためやけど、これ誰かに送ったりは……」
「中野さんとテルさんくらいですかね」
「なぜに渡した?」
「圧がえぐかったっす」
「まあええけど……ほら、コーチに怒られるから、はよいきや」
「うーっす」
翔太たちは今度こそグラウンドへと向かった。
「……それでは、本番いきまーす」
「はーい」
広報さんが持っているスマホから音楽が鳴りだす。
……左……右……トントントン……左……右……最後は……などと心の中で思いながら最後にAは指を曲げて虎のポーズをする。
「オッケーです、ありがとうございまーす!」
「ありがとうございます!あ、これ、他の選手たちに動画欲しいって言われても送らんで欲しいです。恥ずかしいんで」
「わかりました」
「ありがとうございましたー」
そう言ってAは練習に戻った。
129人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
てるてる坊主(プロフ) - ザキさん最高w更新待ってます! (7月27日 14時) (レス) @page46 id: 7989449218 (このIDを非表示/違反報告)
えど(プロフ) - 雰囲気すごく好きです!頑張ってください! (7月17日 3時) (レス) id: 67d2f217ce (このIDを非表示/違反報告)
てるてる坊主 - 中野君です!返信ありがとうございます! (7月15日 15時) (レス) id: 7989449218 (このIDを非表示/違反報告)
usa(プロフ) - てるてる坊主さん» ありがとうございます!!!もしよければその推しさんのお名前を教えてくださらないでしょうか…!短編とかのネタにしたいです! (7月15日 14時) (レス) id: 15f5f97ad6 (このIDを非表示/違反報告)
てるてる坊主 - 初コメ失礼します。僕の推しが出ててびっくりしてるうえに尊いです。これからも頑張ってください!応援しています! (7月15日 12時) (レス) id: 7989449218 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:usa | 作成日時:2023年7月5日 12時