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「やってますよね?」

「いいじゃん、調子良かったし」

「そういう問題ちゃいますよ?」

 ロッカールームに戻るなりAはザキさんに問い詰めた。

「次からも使う?」

「使うわけないです!」

「ふーん」

「なんすか、その反応は……」

「なんでもない」

 ザキさんはそう言って着替え始める。この人は何を考えているのか全くわからない。

「はー、マジで勘弁してくださいよ……」

 そう言ってAも自分のロッカーに戻って着替え始めた。


その数週間後、ザキさんの誕生日が来た。

プレゼントに何をあげるかも決めていないので、Aは大阪に電車で来ていた。ショッピングモールを歩き回っているとジブリショップを見つける。


「これザキさんに似てる」

 ぬいぐるみコーナーへ行くと、ザキさんにそっくりなトトロのぬいぐるみがあった。

「よっしゃ、これにしよ」

 Aはトトロを抱えてレジへと持っていった。


「ザキさーん、誕生日おめでとうございます!」

 
練習後のロッカールームで渡す。ザキさんは嫌だと言いながら受け取ってくれた。


「何これ」

「遠征先のおともです」

「ふーん、ありがと」


 ザキさんは嬉しそうにそれを眺めてからカバンに入れた。



「俺やと思って大事にしてくださいね」


 Aはそう言いながらにっこりと笑う。


「あーはいはい、早く帰りなよ」


「はーい」


 そう返事をしてAは帰って行った。

「……Aってほんといいキャラしてるよな」

「うわ珍し、暑さでやられた?」

「うるさい」

「今日、どうやったん?」

「んー、いつも通り」

「そういうこと聞いてるんじゃないんやけどなー」

「?」

「まあええわ、お先ー」


 そう言って梅野は帰って行った。


「……」



岩崎はカバンの中からトトロを取り出す。ロッカールームを見渡して、誰もいないことを確認してから、岩崎はボソリとつぶやいた。

「今からお前の名前はAだ。いいかい、Aだよ。分かったら返事をするんだ…………できないけど」

「はい!」

「っ!?」

バッと顔を上げるとそこにはAがいた。

「な、にしてんの!?」

「いや、忘れ物した気がして見に来たんですけど……さっきザキさん俺の名前呼んでませんでした?」

「ううん、呼んでない。早く帰って」


岩崎はホッとしながら自分の鞄を持って、Aを押し出すように外へ出た。

【番外編2】お茶とココア→←.



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設定タグ:男主 , 中野拓夢 , 侍ジャパン   
作品ジャンル:恋愛
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てるてる坊主(プロフ) - ザキさん最高w更新待ってます! (7月27日 14時) (レス) @page46 id: 7989449218 (このIDを非表示/違反報告)
えど(プロフ) - 雰囲気すごく好きです!頑張ってください! (7月17日 3時) (レス) id: 67d2f217ce (このIDを非表示/違反報告)
てるてる坊主 - 中野君です!返信ありがとうございます! (7月15日 15時) (レス) id: 7989449218 (このIDを非表示/違反報告)
usa(プロフ) - てるてる坊主さん» ありがとうございます!!!もしよければその推しさんのお名前を教えてくださらないでしょうか…!短編とかのネタにしたいです! (7月15日 14時) (レス) id: 15f5f97ad6 (このIDを非表示/違反報告)
てるてる坊主 - 初コメ失礼します。僕の推しが出ててびっくりしてるうえに尊いです。これからも頑張ってください!応援しています! (7月15日 12時) (レス) id: 7989449218 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:usa | 作成日時:2023年7月5日 12時

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