. ページ5
「あ、ナルさん!」
後ろから少し低めの声で呼ばれる。振り返ってみるとロッテの佐々木くんと、オリックスの宮城くんがいた。
2人共ドラフトで会った時くらいでしか話したことが無かったし、リーグも違うので喋るのは3,4年ぶりである。
「おー!久しぶりやん!俺のこと覚えてる?」
「もちろん!」
さすが宮城くんだ。人懐っこい笑顔で話してくれる。
「いやあ、嬉しいなあ」
「ナルさん、大人っぽかったっすもん」
「大人っぽいじゃなくて大人や(笑)」
だいぶ伸びた宮城くんの髪をワシャリと撫でる。なぜか佐々木くんの視線が厳しい気がしたが、気のせいだろう。
「佐々木くんも久しぶりやな」
「お久しぶりです、ナルさん」
すごい速さで宮城くんを奪われてしまった。さすが令和の怪物である。170キロは出ていた。
「2人共、今来たとこなん?俺は今から挨拶回り行こかなって思ってるんやけど」
「あ!俺ナルさんと一緒に行きたいです!」
宮城くんがふわりと笑う。佐々木くんの視線が痛い気がするが、Aは知らんぷりをした。
「じゃあ行こか?……佐々木くんも一緒に行くやろ?」
「はい!」
Aは2人を連れて、練習場の中を歩き回ることにした。
「あ、あれが由伸さんです。おーい!」
少し歩くと誰かが壁に向かってボールを投げていた。その人に向かって宮城くんが走り出したので、Aと佐々木くんも急いで追いかける。
「何、宮城?」
「この人、紹介したくて」
「どうも、成吉Aです。よろしくお願いします」
「あ、こちらこそ。山本由伸です。ナルちゃんさんですよね? (笑)宮城からめっちゃ聞かされてます(笑)」
「はは、そうなん?」
「連絡先交換しましょ、ナルちゃんさん」
「ええよ、山本くん」
「由伸でいいですよ」
「ん、由伸。これ、俺の連絡先な」
「今送りましたー」
由伸から送られてきたのはドリンクチケットだった。
「何これ、くれんの?」
「はい、飲みに行きましょ」
「あれ、オフの日あったっけ?」
「次の月曜日は休養日です」
「まじ?そん時に車で行く?」
「いいですね、色々お話したいですし」
「お、ほんなら決まりやな」
宮城くんと佐々木くんの方を振り返ったが、2人は少し離れたところでニコニコと楽しそうに話していた。Aは邪魔をしてはいけないと思って、由伸の方に向き直った。
「んじゃ、月曜日な。おーい!ささみやコンビー!行くぞー!」
「はーい!」
そう言ってAは他の選手たちのところへ歩き出した。
129人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
てるてる坊主(プロフ) - ザキさん最高w更新待ってます! (7月27日 14時) (レス) @page46 id: 7989449218 (このIDを非表示/違反報告)
えど(プロフ) - 雰囲気すごく好きです!頑張ってください! (7月17日 3時) (レス) id: 67d2f217ce (このIDを非表示/違反報告)
てるてる坊主 - 中野君です!返信ありがとうございます! (7月15日 15時) (レス) id: 7989449218 (このIDを非表示/違反報告)
usa(プロフ) - てるてる坊主さん» ありがとうございます!!!もしよければその推しさんのお名前を教えてくださらないでしょうか…!短編とかのネタにしたいです! (7月15日 14時) (レス) id: 15f5f97ad6 (このIDを非表示/違反報告)
てるてる坊主 - 初コメ失礼します。僕の推しが出ててびっくりしてるうえに尊いです。これからも頑張ってください!応援しています! (7月15日 12時) (レス) id: 7989449218 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:usa | 作成日時:2023年7月5日 12時