. ページ35
「ナル、流石にブルペンの場所わかるよな？」
試合が始まってすぐにコーチに言われる。
「任せてください。ちゃんとムネに地図書いてもらいました」
「そうか、じゃあ行ってこい」
「はい！」
Aは早く投げたくてしょうがないと言っているような腕を振ってブルペンへと歩き出した。
「え……」
3回。ダルさんがホームランを打たれた。それと同時にコーチから呼ばれる。
「次な」
「はい」
ベンチの前で祈るように見ていると、今度は地図を書いてくれたムネが珍しくミスってしまってランナーが二塁にまできてしまった。
「成吉、交代」
絶体絶命のピンチ。Aはチームの中でも3,4番目に歳上である。だからAがしっかりしなくてはならない。Aと入れ替わるようにして帰ってきたダルさんの肩をポンとしてからマウンドへ向かった。キャッチャーは中村さん。
「おﾞらﾞっ！」
気合いを入れすぎたのか、ボールは若干上を逸れてボールになってしまった。しかしこれで感覚を取り戻せた気がする。何日か投げていなかったからしゃーないと自分を鼓舞して、Aは再び足を上げた。
「らﾞぁっ！」
カンッと音がしてライトの方に打球が飛んでいく。これはまずいと思った瞬間、あっという間にホームに帰られた。
しょうがないなと思いつつも少し悔しい。そんなAを心配してか、内野のみんなと中村さんがサッと集合した。
「大丈夫」
ゲンさんがポンと背中を叩いてくれる。あまり多くは喋らないがなぜかとても安心する。
「ゲンさん」
「後ろは俺たちに任せてください」
そう言ってみんなはポジションに帰って行った。状況はさっきと一緒。焦らずにワンアウト取ればいいだけだ。出された指示はスライダー。曲がり具合によってはバッターに当たりかねない。少しまずいと思って首を振る。結局遅めのフォークにすることに決まった。
「っ！」
打球がまっすぐ飛んでいったので捕れるだろう。予想通りに牧のミットに収まる。
「ふぅー」
なんとかピンチを切り抜けることができた。あとはバッターたちに任せよう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 129人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
てるてる坊主(プロフ) - ザキさん最高ｗ更新待ってます！ (7月27日 14時) (
レス) @page46 id: 7989449218 (このIDを非表示/違反報告)
えど(プロフ) - 雰囲気すごく好きです！頑張ってください！ (7月17日 3時) (レス) id: 67d2f217ce (このIDを非表示/違反報告)
てるてる坊主 - 中野君です！返信ありがとうございます！ (7月15日 15時) (レス) id: 7989449218 (このIDを非表示/違反報告)
usa(プロフ) - てるてる坊主さん» ありがとうございます！！！もしよければその推しさんのお名前を教えてくださらないでしょうか…！短編とかのネタにしたいです！ (7月15日 14時) (レス) id: 15f5f97ad6 (このIDを非表示/違反報告)
てるてる坊主 - 初コメ失礼します。僕の推しが出ててびっくりしてるうえに尊いです。これからも頑張ってください！応援しています！ (7月15日 12時) (レス) id: 7989449218 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：usa | 作成日時：2023年7月5日 12時
