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「ここっぽいな」
 言われた部屋番号のドアをノックするとすぐに鍵を開ける音が聞こえてきた。
「I'm waiting for you, Naruchan!(待ってたよ、ナルちゃん!)」
「Thank you.(ありがとう)」
 中に入るとたっちゃんが冷蔵庫を開けてくれた。そして缶を取り出してこちらに差し出してくる。
「Here you are」
「Thank you」
 それを受け取ってプルタブを起こすとプシュッといい音がする。
「乾杯」
「Cheers!」
 ゴクゴクと喉に流し込むと甘い味が口の中に広がっていった。
「おいしい!」
「Yes, it's very good(うん、これ美味しいよ)」
 そう言ってたっちゃんは笑った。そのままゴクゴクと飲んでいると、何故か喉仏のあたりをじっと見られる。
「?」
「Nothing.」
 なんだかくすぐったくなり、Aはたっちゃんから自分を隠すように身を捩らせた。
「Where are you going?(どこいこうとしてんの)」
「っ……」
「Naruchan, you're so cute.(ナルちゃん、可愛い)」
「お、Oh, stop it.(ま、またまたー)」
「Do you think I'm joking?(俺が冗談言ってると思う?)」
 低く掠れるような声でそう言われると体が固定されたように動けなくなる。
「Will you be okay tomorrow?(そんなんで明日大丈夫そう?)」
「も、もちろん」
「Really?(ほんとに?)」
「うん」
「That's wonderful. (よかった)」
 そう言って笑った顔は、いつもの顔に戻っていた。
「もう遅いし、そろそろ帰るな。ジュース、ごちそうさん」
「Let me walk you to your room.(部屋まで送るよ)」
「I'm fine. Thank you.(いや、大丈夫)」
「Haha, You said that and you were lost. Right?(そう言って迷子になったでしょ?)」
「う……」
「Let's go.(ほら、行こう)」
 そう言ってたっちゃんと一緒に部屋を出た。
「今日はありがと」
「No problem.(気にしないで)」
 Aの腰に手を回されたまま歩かれる。たっちゃんの方を見上げると何食わぬ顔で見返されるので、それが彼のデフォルトなのだろう。Aの部屋が近くなるにつれ、たっちゃんが腰をつかむ力も強くなる。
「たっちゃん?」
 不安になって見上げると、たっちゃんは真剣な顔をしていた。しばらく無言で見つめ合ったあと、Aは物陰の方からガサガサという音がすることに気づいた。
「っ!?」
 急いでたっちゃんから離れようとするも彼はそれを許してくれない。

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設定タグ:男主 , 中野拓夢 , 侍ジャパン   
作品ジャンル:恋愛
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てるてる坊主(プロフ) - ザキさん最高w更新待ってます! (7月27日 14時) (レス) @page46 id: 7989449218 (このIDを非表示/違反報告)
えど(プロフ) - 雰囲気すごく好きです!頑張ってください! (7月17日 3時) (レス) id: 67d2f217ce (このIDを非表示/違反報告)
てるてる坊主 - 中野君です!返信ありがとうございます! (7月15日 15時) (レス) id: 7989449218 (このIDを非表示/違反報告)
usa(プロフ) - てるてる坊主さん» ありがとうございます!!!もしよければその推しさんのお名前を教えてくださらないでしょうか…!短編とかのネタにしたいです! (7月15日 14時) (レス) id: 15f5f97ad6 (このIDを非表示/違反報告)
てるてる坊主 - 初コメ失礼します。僕の推しが出ててびっくりしてるうえに尊いです。これからも頑張ってください!応援しています! (7月15日 12時) (レス) id: 7989449218 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:usa | 作成日時:2023年7月5日 12時

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