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侍ジャパンの先発投手は由伸だった。みんなの弱いところを的確に攻めていっている。一方、タイガースの先発である浩人もしっかりと抑えていた。
「才木さんってすごいんですね」
「やろ?」
 横で一緒に試合をみている朗希にドヤ顔でピースする。なぜかグーで応戦されてしまった。
「ひどい」
「ひどくないですよ(笑)ねえ宮城?」
「ん?うん」
「宮城くん、よく詐欺とかに引っ掛らんか?大丈夫?」
「大丈夫です!」
 屈託のない笑顔を向けられると小さい子と話すときの感覚になって、心が和む。
「なんかあったら俺に、いだだだ!」
「ん?どうしました?」
 宮城くんが見えないところで朗希が肘を押し付けてくる。降参の意味を込めて朗希の背中を叩くと解放してくれた。
「ダイジョウブ、シンパイカケテゴメンネ、ミヤギクン」
 そう言うと朗希は仲直りの印としてスッとゼリー飲料を差し出してくれた。それを飲み終わって息を吹き入れて容器をベコベコさせていると、コーチから呼ばれた。
「ナル、ブルペン行ってこい」
「え、どこですか?」
 そう言うと呆れたようにため息をつかれて、京己も一緒に呼ばれた。
「ナルさん、ここです。視察したでしょ?」
「なるほど、次からは行けそうな気がするわ」
「嘘つかんといてください」
「うっさ、はよ投げや」
「言われなくても」
 京己はWBC以前は普通の後輩という印象だったのに、Aが宮崎へ移動するときにゴネ始めてからは容赦無くいじってくるようになった。
「っしゃ、割といい感じ」
「あ、こっちの攻撃ですよ」
「俺の球見ろや、まあええけど」
 いつの間にか試合は3回表。ゲンさんのツーベースヒットから始まり、たっちゃんのヒットで一点。その後、フォアボールでツーアウト一塁二塁の状態だ。
「大谷さんの打席ですね」
「うん」
 浩人が投げたのはボール球。それを翔平は片膝をついてホームランにした。
「メジャーリーガーって凄いな」
「ですね」
 2人でそう言っているとまたコーチに呼ばれる。
「ナル。ベンチ戻って」
「もう交代っすか」
「うん、ナルは4回からね」
「はい」
「打たれたら奢ってくださーい」
「京己抜きでみんなで行くわー」
「ひどーい」
「ひどない」
 そう言い残してAはベンチへと戻った。

.→←ep5-2 - vs.タイガース-



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設定タグ:男主 , 中野拓夢 , 侍ジャパン   
作品ジャンル:恋愛
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てるてる坊主(プロフ) - ザキさん最高w更新待ってます! (7月27日 14時) (レス) @page46 id: 7989449218 (このIDを非表示/違反報告)
えど(プロフ) - 雰囲気すごく好きです!頑張ってください! (7月17日 3時) (レス) id: 67d2f217ce (このIDを非表示/違反報告)
てるてる坊主 - 中野君です!返信ありがとうございます! (7月15日 15時) (レス) id: 7989449218 (このIDを非表示/違反報告)
usa(プロフ) - てるてる坊主さん» ありがとうございます!!!もしよければその推しさんのお名前を教えてくださらないでしょうか…!短編とかのネタにしたいです! (7月15日 14時) (レス) id: 15f5f97ad6 (このIDを非表示/違反報告)
てるてる坊主 - 初コメ失礼します。僕の推しが出ててびっくりしてるうえに尊いです。これからも頑張ってください!応援しています! (7月15日 12時) (レス) id: 7989449218 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:usa | 作成日時:2023年7月5日 12時

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