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悠香が口を開いた。
悠香「あの、探偵に依頼いた時点で、お金って発生しましたよね?」
国「嗚呼、そうだが?」
悠香の顔がサッと青ざめた。
何となく理解した太宰がにんまりと笑い、こう云った。
太宰「持ち合わせが無いのだろう?しかもアルバイト生活の君は探偵社にお金を直ぐには払えない。」
悠香「仰る通りです···。」
太宰「なら簡単な話さ。悠香ちゃん、事務員として依頼分働かないかい?」
誰もが驚き、太宰を見る。
国「太宰!また貴様はそうやっt「国木田君。」」
太宰「彼女の資料を見ただろう?あの膨大なデータを綺麗に纏めあげる腕前は、いっそ才能と云っても良い。中々の人材だと、私は思うのだけどねぇ?」
ナオミ「ナオミもそう思いますわ!寧ろ正式に社員になって欲しいくらい!」
他社員も頷く。
ほらね?と国木田にニッコリ笑いかける。
国「〜〜〜〜ッ!依頼分だ!それ以上は社長に判断を委ねる!!」
観念した国木田は叫んだ。
こうして、悠香は探偵社の事務員(仮)になった。
悠香「(アルバイト先に辞職届出さなきゃ。)」
·
その夜
太宰は社員寮の自室でPCを操作していた。
太宰「(国木田君の云う通り、此の辺りの大企業は調べ尽くしてあった。しかも院長の話は嘘。となると···)」
カタカタとキーボードを打つ音が部屋に響く。
太宰「(子供達には嘘をつかなければいけない相手、橘Aは異能力者、強引に連れて行ったとして、其れが公にならないモノ···つまり、裏社会。)」
太宰はポートマフィアの構成員のデータに潜り込む。
幾つものセキュリティを解除し、閲覧可能にした。
最近のデータを確認すると···
太宰「嗚呼、矢っ張り···。橘Aはポートマフィアに連れて行かれたんだ。」
文章を読んでいくにつれてどんどん険しい顔付きになり、やがて小さく うわ、と呻いた。
太宰「よりによって中也の所だよ···。」
深い溜め息をつき、痕跡を残さないよう全て消去する。
太宰「流石に云えないなぁ···。仕方ない、私が動くとしよう。」
と、再び溜め息をつくのだった。
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作者名:のら猫 | 作成日時:2017年3月16日 21時