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#01 ページ3

3ヵ月前、教室にりつ君と私だけがいる日があった

彼は交友関係が広く、真面目で賢かった

高1の時、病気でしばらく休んでいて登校再開した時に、勉強の内容が全く分からずに困り果てている私を救ってくれた、ヒーローみたいな存在。

それ以来、私は彼のことが好きだった

この日、居残って検定勉強をする私は彼に声を掛けられ、小一時間ほど話し込んだ

進路が決まらない話、担任の秘密エピソード、そして、つい先日彼女に振られた話。

「あー寂しい」

普段の真面目さからは想像できないくらい、幼い笑顔で笑い話をする彼に惹かれ━━

「あはは、寂しいならおいで〜?」

悪戯っぽく、立ち上がり両手を広げてみた
すると彼は、一瞬目を見開くと

立ち上がり体を寄せ
慌てる私なんてお構い無しに、優しく両腕で包み込んできた

「あ、あの。りつ君・・・?」

「ごめん。止まらなくなるから、今はなにも言わないで」

「りつ君」

「だから…」

「いいよ」

「え?」

「りつ君なら、いいよ」


"それで楽になるなら"と付け加え、彼を見つめた


彼は優しく、唇を押し付けてきた




この日から、私とりつ君の関係は始まった。

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作者名:つづり | 作成日時:2019年4月13日 0時

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