【AKB0048】夢の舞台へ! (ページ10)

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第捌話北条家/Ⅲ（*夏季視点）ページ10

私は北条Aとその父、北条政孝と一緒に夕食をとっていた。政孝は大の野球好きらしく、西宮星(ニシノミヤスター)で開かれている、春の『深銀河選抜高校野球大会』の中継をテレビで見ている。
孝政「で…話があるのではないかAよ。」
A「はい。AKB0048第77期生オーディションに参加します。この天野夏季と一緒に。」
夏季「こ、このって何よ!私は物か!」
A「うるさい。少し黙ってて。」
私は驚いた。Aにこんなこと言われたのなんて初めてだ。実は私の知らないAがもっといるのかも…。
政孝「駄目だ。」
A「何故です!?何故駄目なんですか!?」
政孝「…。」
政孝は答えない。
A「御父様はそうやって現実から目を背け逃げて行くんですか!?」
夏季「A流石にいいすじゃあ…」
A「夏季は黙ってて!」
こ、今度は怒鳴られた。
A「お兄様だって、芸能を守るという信念を貫き戦ったんです!それを今は御父様が貫かなくてどうするんですか!」
政孝「口が過ぎるぞ!」
Aはひるむ。
政孝「政輝だけのことを言っているんじゃない。他にも親戚、家臣、それにWOTA、皆怪我をし何人かはその為に命を落とした!北条家の当主としてこんな事があってはならない。だから現在でも毎日欠かさず軍事訓練は行っている。しかしだ、こんな事せずに済む世が1番なのではないのか?」
A「では、皆が戦う事を止め諦めれば銀河はどうなるのです!?D.G.T.Oに好き勝手遣らせるのですか!?」
Aはさらに続ける。
A「北条家だって無事では無い筈です!これまで何度もデスと交戦してきた北条家が無事な筈がありません!」
政孝は座布団から立った。
政孝「もう良い。好きにしなさい。」
政孝は6畳の居間から出て行った。Aは黙っている。それにしてもこんなA初めて見た。
「決まりましたー!0048年度選抜高校野球大会優勝校は、豊田星(トヨタスター)の豊田加茂高校です!!」
テレビ中継の実況者の声が居間全体に響いた。