【AKB0048】夢の舞台へ! (ページ14)

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第壹貮話富士宮星との別れ/Ⅱ ページ14

～明朝3時～
Aは家の玄関で靴紐を結んでいた。そこへ、
政孝「A、行くのか?」
A「はい、お父様。」
政孝「そうか、ではこれを持って行くと良い。」
政孝はAに細長いアタッシュケースを渡した。
A「何ですか?これは。」
政孝「中を見てごらん。必ずしやお前の役に立つ。」
Aはアタッシュケースの中身を見た。
A「これは…」
政孝「我が北条一族に伝わる秘宝、妖刀『紅桜』村正。」
A「何故私に?」
政孝「いずれ必要な時が来るであろう。あと天野って子にもこれを、こっちはタダの脇差じゃが、北条家第二の秘宝じゃ。」
A「なぜ、こんなに?」
政孝「もう誰にも死んでは欲しくないからな。あと気を付けろ。その紅桜には人の心を引き付ける効果がある。心を奪われるな。」
A「こんなもの私が扱えるわけ…」
政孝「ならば仕方がない。これも渡すとするか。」
政孝は首に掛けていたネックレスを外すと、Aの掌にそっと乗せた。
政孝「これもお前に託す。紅桜から守ってくれる首飾りじゃ。だが完璧ではない。己の心を強くして生きよ。そして行け!友が待っておるのだろう?待たせてはいかん。」
Aは立ち上がり両手にアタッシュケースを抱えて玄関を出る。「行ってきます」が言えなかった。もうこれ以上口を開けると泣いているのがバレてしまうから。
A(必ず戻って来るから!この北条家に!!)
Aは走った。もう時間がない。始発の列車がもう駅に付いている頃だろう。今までに無い位の速さで走った。ただひたすら…。

(*ここから夏季視点)
駅アナウンス「間もなく3番線に電車が参ります。黄色い線までお下がりください。新銀河統一標準時4時16分発、普通東京行きです。」
夏季「A遅いな～。いや、来るよなちゃんと。」
4時13分。夏季は取り敢えずホームの階段に1番近い号車の入り口から列車に入った。
駅アナウンス「間も無く発車いたします。4時16分発東京星行き～」
4時14分。夏季もだんだん不安になってきた。
夏季(まさか寝てんじゃないんでしょうね…。)
4時15分。夏季はじっと階段を眺めていた。