【募集企画】荒廃した世界2【短編】

if【漆喰】 ページ2

if【漆喰】


地球外生命体や機械生物が全て
いなくなったとの報告を受けた。

この世界は平和になり、
もう争うことも誰かが傷つくことも無くなった
ニシュテも平和になり、人々に笑顔が増えていった。

高台に拠点を置いているアリナの執務室の窓から街を見下ろす。
遠くからくる客も増えていき、ニシュテも
どんどん都市として大きくなっていくのだろう。

では、私は何をすればいいのだろう？
幹部達や兵士達は、元の家族や住んでいた所に
帰ったり。ニシュテで家を買い、住むという。

私に親はいない、昔から
この戦いの事を教えこまれていた。
私から敵を奪ってしまったら、いったい
なにが私の中には残るのだろうか

書類仕事はもうない。
任務を通達することも、
報告をうけるのも。
武器開発の話をするのも









あいつらと話すことも無くなるのだろうか

場所を移動し、バルコニーにでる。
空はきらきらと輝き地上は綺麗な森や草原が
広がっていた。そして、とても目立つのは
草原の中央にある大きな桜の木

いままで桜の木は咲くこともなかったが、
地球外生命体などが消えた瞬間
咲くようになった。

ぼんやりとサクラを眺め、
頭の中に浮かんでくるのは過ごした日々だった
彼らとであった時、こうして組織を
作れた事。

全てが上手くいった訳では無いが、
毎日が充実していた。充実しすぎていた。
今の私には、何もなくなってしまった。

『私は...もう。意味は無いだろう』
____________

pipipipipipipipi...

『ん...』

重たい瞼を開くと、カーテンの隙間から
太陽の光がこぼれていた。
まだ寝ていたいという欲求を無視し、
ゆっくりと起き上がる。

『はぁ...あいつが余計なことを話すから
変な夢をみたではないか...』

先日の電話の相手。宝石屋の話が
頭をぐるぐると回り。結局睡眠薬を飲んで
寝ることとなったが、夢にまで影響してくるとは...

頬をパチンと叩き、無理やり思考を
切り替える。私が今することは
敵を殲滅するのみ。

それしかないのだ。
私にできることは


_________
ちょっと暗い話をひとつ

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