笑わせないでよ【シルバー】 (ページ47)

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ないものねだりページ47

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「あ、そーだ。今日の放課後はマジカルシフト大会に向けての寮長会議ッスよ。忘れずに出てくださいね。」

『ラギーさんはサバナクロー寮の副寮長だったんですか……？』

話題を変えたと思えば急に真面目な話にするし、なんならその役目って副寮長じゃ？？一方のレオナは面倒臭そうに遠い目をしている。

「……チッ、面倒くせぇなぁ……。」

『頑張って行ってくださいよ。何故か関係ないあたしまで呼ばれてんスから……』

「ホラっ、Aくんも行くらしいッスよ。寮長ってことで一番デカい一人部屋使ってんスから。家賃分ちゃんと仕事してください。」

大事なの家賃(そこ)なのか……

「あー、わかったわかった。ふぁ～……腹が膨れたら眠くなってきた。昼休みが終わったら起こせ。」

『うっわ、王族ブレねえ。』

「オレ、レオナさんの目覚まし時計じゃないんスけど……ってもう寝てるし！」

『ここまで来たら最早才能ッスね……』

Aは残ったお弁当をさっさと食べてしまおうと思った。だがラギーの目線に気付いた為、一品献上することになった。

『一口いりますか？』

「え！？あ、え、ありがとうッス……」

『ふふふ、動揺しすぎっすよ……』

「う、うるさいッスよ！」

Aがなにかアクションをとる度に耳をピコピコするのが可愛い。Aはラギーさんの口にウィンナーを放り込んだ。そして前にアズールに言われたことを思い出した。

『……あー、今、距離近かったですか？』

「？いや、別にそんなことはなかったと思うッスよ。」

ラギーは首を傾げた。一挙一動が可愛い。

『あー、前にオクタヴィネルの連中に同じことをしたら、アズールさんに言われちゃって。よく距離が近いとは言われるんですけど、難しくて……。茨の谷じゃ年の近い子どもなんてシルバーとセベクしかいなかったもんですから。』

「あー、確かに。オレも年が近いっていっても年下ばっかだったッスから、オレも麻痺してるのかも……」

『だからでしょうかね。でも、それならラギーさんには距離感考えなくても良いわけだ。』

お昼休みはのーんびり過ごした。ラギーは本当に話術に長けてるというか、暇はしなかった。レオナの相手してるからかな。自分は駄目な相手は駄目な人間だからなぁ。誰とでもやっていけるのは羨ましい。

彼の意外な才能を知れて今日は少し気分が良かった。人を笑わせられる人って素敵だな。