笑わせないでよ【シルバー】 (ページ45)

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言ってみろよページ45

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『……酷いです。あたしを揶揄ったんですね……』

「シシシッ、あんまりかわいい反応するもんッスから。」

彼はいたずらっ子の様に意地の悪い笑顔を見せた。一頻り笑って満足したラギーをジト目で睨んだ。

「ま、今日はちょっと用事があるんで、また今度で。」

『……あまり遅くなるようですと、利子付けますから。』

「ゲッ…急にオクタヴィネル覚醒すんのかい！」

『ふふふ、冗談ですよ。』

つい笑ってしまった。彼もシシシッと可愛らしく笑った。

「さ、ちょっと急ぐッスか。」

『ですね、レオナさんが拗ねてしまいます。』

「それはそれで面白……面倒臭そうッスね。」

ラギーは溜息を吐いた。そのまま二人で植物園まで走った。

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お目当ての人物はすやすや寝こけているではないか。人を呼んでおいて寝るなんて……端から期待なんてしてないが。
Aが汚物を見る目でレオナを見下すと、ラギーはAの心情を察し、レオナを起こした。

「レオナさーん、昼飯買ってきたッスよ～。」

「グルル…………ん、もう昼か。」

目を擦りながら尻尾を揺らして起きるレオナに、目覚めの一発をかます。

『”もう昼か。(謎のダミ声)”じゃねーですよ！人のこと拉致っておいて寝てるなんて、どんだけ睡眠に抗えないんですか！そんなんじゃシルバーと変わらないですよ！』

「レオナさんの声真似のつもりなら全然似てねーッスよ」

Aは怒鳴った。この人はもっと誰かに怒られた方がいい。いつもならこんなことでは怒らないが、レオナにはもっと怒るべきだ。あからさまに機嫌を悪くしてみた。すると、レオナの様子が変わった。ありゃ？反省した？早くない？

「………磯臭ぇ。」

『あたしの話聞いてました？？？』

「Aくん、無駄ッスよ。」

もう怒る気力すらない。兄と同じで、怒っても意味がない。糠に釘とはこのことか。

『……ったく会いに来たのに失礼じゃありません？そりゃ磯臭くもなりますよ。どこの寮生だと思ってんだか……』

はぁ～と大きな溜息を吐いた後、レオナの隣にドカッと座った。彼は何とも言えない顔でこっちを見た。Aはお弁当箱を開けながら聞いた。

『……なんですか？』

「遠慮が無くなってまるで……なんでもない。」

『まあまあ言ってみ？』

この後何度聞いても教えてくれやしなかった。