占領メインストリート! ページ32
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メインストリートの真ん中を歩くオクタヴィネル寮生。しかしそれも、いつもとは面子が違うようだった。
兄とは真逆のさらさらの白髪を揺らす少女。今日は簡単なハーフアップにしてある。黒ゴムで無造作に結わったものでも、それはそれは絵になる。いつもと変わりない白カーディガンに、見慣れない薄紫のベストと腕章。開けられたシャツのボタンが色気を出している。
いつにも増して大人びた少女の周りには、学園でも有名な『双璧』と、
周りの生徒は動揺が隠せなかった。”特待生がオクタヴィネルに堕ちた。”その噂は本人たちの耳に届くくらい電波していった。
Aはそれが不服で、ミントキャンディを噛み砕いた。その音からアズールとジェイドはAの機嫌を悟った。
『見世物じゃねーっつーの……』
「なあに?イルカちゃんアイツら気に入らない?」
『やめなさい。』
気に入らないと言えばお前は絞めに行くでしょう。そう言うと、フロイドはつまんねーと言って口を尖らせた。図星でしょ。
『今やるべきじゃないでしょ。然るべき時が来れば自ら手を下します。』
「あっは〜イルカちゃんやるぅ。なんかアズールみてー。」
「確かに……雰囲気もアズールに似てきていますね。」
双子がそう言ったのをアズールは否定した。だが、私は肯定した。
『人の性格とか喋り方とかよくうつるんだよね。よく染まりやすいとも言われたし、間違ってないと思うよ。』
「げ〜、イルカちゃんがホントにアズールみてーになったらどーしよ。」
「失礼ですね。」
『アズールさんみたいな人はこの世で一人でいいと思う……リーチも同様だけど、』
ホント、こんなヤツらこれ以上いたら死ぬって私が。何を勘違いしているのか3人は急に照れ始めた。褒めてないからね??フロイドは思い出したかのようにパッとこっちを見た。
「そーいや、前ここでイルカちゃんに逃げられたよね〜。」
『よく知りもしない2m弱の先輩が抱き着いてきたら誰でも逃げたくなるよ。』
「急に抱き着かれたら2m弱の先輩に限らず怖いでしょう。」
『そこはまあ、顔面偏差値で埋めれたよね』
「遠い目をするのはやめなさい。」
アズールに溜息を吐かれた。いや、顔面偏差値大事よ。顔がいいから許したんじゃなくて、顔の良さに圧倒されて何も出来なかっただけだから。私の馬鹿馬鹿しい理論に、彼も慣れてきたらしい。
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作者名:天 | 作者ホームページ:https://marshmallow-qa.com/_sora_fleur
作成日時:2020年8月25日 20時