笑わせないでよ【シルバー】 (ページ24)

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純情ページ24

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自分は、意外と純情(ピュア)だとよく言われる。自分ではそうは思わないが傍から見たらそうらしい。

確かに感情は顔に出がちだし、すぐ真っ赤になる。だからって純情(ピュア)は違うんじゃないか？そんなに綺麗な心ではない。下ネタはエースやクラスメイトの男子と同じくらいには言う。何ならあいつら(シルバーとセベク)よりずっと心が汚れているだろう。

なのに、なんでだ

自分はこんなキャラじゃないじゃないか。普通の女の子のように顔を真っ赤にして、どうしてしまったのか。
戻ってこい私。一人で舞い上がって、ただの恥ずかしいヤツだ。落ち着け、ホントに。

どうにか火照った顔を冷やそうと、下を向き心頭滅却していた。

”恥ずかしい”

この感情は、その一言で片付けていいものだろうか。恥ずかしさもあるが、嬉しさも勝っている。好きでもない人から愛されても、気持ち悪いだけだ。じゃあ、なに？私が、アズールさんを？

『……いやいやいや、ないわ…』

「イルカちゃん大丈夫？」

『大丈夫じゃない……。』

Aは考えるのに疲れて溜息を吐いた。その頬を突きフロイドは笑った。ふと、アズールの様子を窺った。やけに静かだったため、気になったのだ。
ちらりとアズールの方を見ると、両手で真っ赤な顔を隠していた。フロイドに頬を突かれたまま、目を瞠った。

『ちょ、アズールさん、貰い照れはやめてくださいよ……』

「……貴女こそ、急におかしなことを言うのをやめてください。心臓に悪いですよ……」

「おやおや、他所でやって頂きたい。」

「はぁ～、だる。」

『お前らさぁ……』

いい加減にしてくれ。結局、この後自棄(やけ)になったアズールが本気を出し契約を終わらせ、手続きもなにもかも終わらせてしまった。スゴイ、凄いけど、申し訳ない。

「さて、そろそろ夕食にしましょうか。」

「やった～お腹空いた！」

『はいはい、行きましょうか。』

そうですね、と言って立ち上がるアズールと目が合った。その瞬間、双方が思いっ切り逸らしたが。

「あはは～おもしれ～」

『見世物じゃないんだから……』

「本当ですよ。」

真っ赤な顔でコホンと咳を吐くアズールに、ふと違和感を感じた。

……ああ、そっか。私、アズールさんばっか見てるや。

心の清さ純粋さどうこうは置いておいて、人に影響されやすい所は欠点だと思う。それが今後吉と出るか凶と出るか。そんなこと、考えるのも疲れる。