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ふわふわで、きらきら ページ2




『し ん ど い!』


バタッとソファーに倒れ込む午前0時過ぎ。テーブルの上の珈琲はすっかり冷えてしまった。Aはぐるりと頭を背もたれ側に向け、拗ねたように下唇を突き出した。眉をひん曲げて不機嫌さを露わにするAを横目に、フロイドはソファーに肘を付いてご機嫌そうに微笑を浮かべている。


「イルカちゃんお疲れ〜」

『誰のせいだと思ってるんだか……』

「えぇ、オレのせいなの?」


まるで自分は被害者だと言わんばかりの顔芸だが答えはYESだ。勿論彼一人の責任だなんて酷な事は言わないが。今朝からずっと彼ら三人に振り回されていたことに変わりはなかった。今はフロイドのひょうきんな所が救いだが。
ごろんと体勢を変えて彼から顔を背ける。今は誰かと会話する気分でないのだ。しかし、私の上を行く気分屋の彼はどうやら、私などと会話したい気分らしいが。


「ねーねー、どこ行ってたワケ?」

『……、』

「アズールがすっげぇうざかったんだけど?」

『……知ってる』


そんなこと私に言われても。現にさっきまでVIPルーム(ここ)で怒涛のお叱りを受けていたのだから。うざいなんてものじゃない。しんどい。確かにすぐ戻ると言って道草を食っていたのは私で、怒鳴りつけられる覚悟もしていたが。
文字通りグッタリと倒れているとフロイドが右頬をツンツンと突いてきた。


「あは、これじゃあイルカじゃなくてクラゲじゃん」

『クラゲ……』


フロイドが「ぷにぷにだし」と付け加えたが、ほぼほぼ放心状態の私はそれに耳を貸す気力もなく、シルバーのことを連想していた。
クラゲ……クラゲね。ふかふかのソファーで意識をゆらゆらと揺らしていた。頭がぼーっとする中、ふと目を覚ます。




『……朝じゃん』


窓からはキラキラと光が差し込む。太陽の光を受け鈍い紫色に光る海が、朝の訪れを知らせた。正面に見える天井は、確かに自分の部屋のものであった。

むくりと身体を起こすと、ソファーではフロイドが眠っていて、そばのテーブルには置き手紙があった。気絶してたから部屋に運んだ。寝てたら起こしてと端的に走り書きされていたその紙をテーブルへ戻し、頭を掻きながら彼の身体を揺すった。


『フロイドぉ〜起きて〜』

「ん……、待ってジェイド……」

『そんなとこで寝てたら風邪引いちゃう……ふぁあ……』


洗面所へよろよろと千鳥足で向かう。顔を冷水で洗い歯を磨いていた。時計を見て吹き出す。もう六時だ。

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作者名: | 作者ホームページ:https://marshmallow-qa.com/_sora_fleur  
作成日時:2021年7月21日 20時

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