【声優】異世界転移者のチート声優ライフ４【日常】 (ページ41)

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ドア巡り８ページ41

寺島side

変な部屋に放り込まれて、巨大なドラゴンと対峙したのも数秒の事
Aくんが一言間違えたと言った直後にはドラゴンの姿は無くなっていた

多分感覚的にはドラゴンがいなくなったというよりは
僕たちが別の部屋に移動したんだと思う

寺島「・・・A？」

「はい」

寺島「あれは？」

「えぇ・・・迷子鳥のようなものでして・・・友から一旦預かるように言われていて」

下野「随分大きな鳥だね」

岡本「この世界にはいちゃいけない鳥だと思いますけどね」

寺島「その友達についても少し聞きたいけど・・・」

なんとなくだが、勘が聞いてはいけないと言っている

岡本「なんでドラゴン…？」

「実験場の扉と繋いでいたのを失念しておりました」

下野「実験場？」

「はい。西山さんのお部屋の隣の扉です」

岡本「危な！」

下野「あんな危険な部屋と繋いでたの！？」

寺島「せめてもっと別の空間に…」

「すみません。預かって一週間ほど経ちますが誰も入らなくてよかったです」

「「・・・」」

岡本「僕やっぱり部屋は遠慮しようかな……」

「そんな！？こ、今後は気を付けます！後生です！！」

今にも泣きそうな潤んだ目で縋り付くAくん

「そ、そうです！この部屋はいかがですか？気に入っていただけると思うのですが…」

慌てた様にそう言うと、目の前に茶色い扉が出現する
板チョコのようなそのドアを開けて、Aに押されるように中に入る

岡本「これは！！」

少し肌寒いような空気に乗って甘い香りが鼻腔を擽る
その香りの次には煌めく彫刻のようなものが目に飛び込んできた

下野「もしかしてお菓子？」

「はい。美味しい物を探している最中に出会った方に作っていただいた飴細工です
　保存魔法がかかっています」

絵本から飛び出してきたようなそれは本当に綺麗だ

岡本「この繊細さ、曲線美・・・イタリアの方では」

「その通りです。よくお分かりになりましたね」

岡本「イタリアの香りがするからね」

生憎僕には甘いスイーツの香りしか感じられない

その周りにもたくさんのスイーツが溢れていて
岡本くんの目もキラキラと輝いている

岡本「このマカロン、この大きさ、このケーキ！これはパリ！憧れのLaduree！！」

そんなはしゃぐ岡本くんをよそに
こちらにも別の意味で目が輝いている人が一人

「危なかったですね」

目が合うと爽やかな微笑みが返ってきた
と同時に眼光は綺麗に隠される

さすがです…