検索窓
今日:4 hit、昨日:4 hit、合計:15,112 hit

友と1(声優なし) ページ1

Aside




『久しぶりだね、アルド』

「ご無沙汰しております」


目を開けるとそこは白い空間だった
地に足を着くでもなく、浮遊感があるわけでもない

そんな空間には覚えがあった

疑問を抱くでも、驚くでもなく、私はあるべき姿勢を取った


『楽にして』

「失礼致します」


無駄な問答は失礼にあたると既に学んでいるので一声で友の望み通りにする

顔を上げると、そこには友が用意してくださったであろうテーブルがあった


『久々の再会だ。ゆっくりしよう。座って』

「はい」

『さて、少し雑談でもしようか。どうだい?最近は』

「楽しく過ごさせていただいております」

『そうか。それはよかった。そろそろ僕の世界に、飽きてしまってはいないかと心配だったんだ』

「飽きるなど。滅相もないことでございます」

『そう?まあ、確かに君の世界よりは、幾分か進みが早い所はあるかもね』


いつからか存在したティーカップに手を伸ばし、手振りで私にも勧めてくる


「目まぐるしく移り変わる世界は常に美しく、どの一時を切り抜いても心を奪われます」


勧められるまま甘い紅茶に唇を濡らす
爽やかな香りが湯気と共に鼻腔を擽った


『そこまで言われると、少し恥ずかしいな。でも、我が子達は確かに可愛い』

「はい」

『そんな我が子と、仲良くしてくれているみたいで、とても嬉しいよ』

「恐縮です」

『私は、あまり関われないからね。その点では、君の世界の神が、少しばかり羨ましいよ』

「子の傍には常に貴方様があります」

『そうだね。そう言われると、関われないのに信じてくれている我が子には、感謝しないと』


その眼に浮かぶ慈愛の色に、私が含まれていないことが少し悲しくなる


『ん?確かに、アルドは我が子ではないが、友だ。今は私の庇護下にある。
 もちろん、アルドにも感謝しているし、愛しているよ』

「ご無礼を致しました」

『口にしていないことを勘繰ってしまったね。僕の落ち度だ。謝らないでくれ』


是とするべきでない言葉に沈黙で答える


『さて、ところでアルド』

「はい」

『少し、尋ねたいことがあってね』

「何なりと」

『アルドは、友は、作らないのかな』

友と2→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (22 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
31人がお気に入り
設定タグ:声優 , 日常 , 男主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:うるげぃりあ | 作成日時:2023年4月10日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。