検索窓
今日:60 hit、昨日:3 hit、合計:32,210 hit

. ページ7

.


まぁそんなことがあったからと言ってすぐデビューが決まるわけでもなく、また止まらない毎日を過ごす。


そんな私に転機が訪れたのはそのちょっと後の事だった。


「A、ちょっといいか?」


急に事務所の社長直々に呼び出されてデビュー!?って浮かれてた私にきたのは突拍子もない提案だった。


「サバイバル番組にでないか?」


話を聞くと、プロデュース48、プロデュース101の第3シリーズ目が来年の4月にはじまるらしい

ここで結果を残せば即デビュー、途中で落ちたとしても話題性は抜群だ。


「まだ入所して間もn「やります!!やらせてください!!」


社長さんからの言葉に食い気味に返事をする。
入所して3ヶ月。あまりにも早い出世だ。
けれど、これを踏み台にできれば私は姉に近づく。
やらないわけがない。


「それでなんだが、この番組に出るには条件が3つある」


社長さんの言う条件
1つ目は体重をあと3キロ落とすこと
2つ目は次のテストでも10位以内に入ること
3つ目は、



「、、整形、、ですか、、、」


「そうだ。お前の実力ならあと2年もしないうちにデビューできる。だけど、売れるには実力だけじゃどうにもならない。それはわかるだろ?」


わかっている。この顔がこの世界で通用しないことは。


今までも父の遺伝子が見受けられないこの顔に対する不満は沢山あった。だけど、まだ私はこの顔に愛着があるみたいだ。


できることなら姉と同じ土俵で戦いたかった。
だけど現実は甘くない。無理なら諦めるしかない。


何かを得るためには何かを捨てなければいけない。
仕方ない。これも姉に近づくためだ。
私はそう心を押し込んで小さく頷く


小顔矯正、目頭切開、ヒアルロン酸、中顔面短縮
鼻が高いこととそこまで大きくなかった顔のおかげでそこそこの整形で済んだ私の顔は、姉に大きく近づいた。


本当の姉妹のような完璧な見た目に、ずっとなりたかったはずの顔に、私じゃない誰かを見ている気がして寒気がする。


ずっと望んでいたことだ。幼少期から姉と似ていなかったこの顔。友達には似ていないとバカにされることもあった。


ブスだって何度も思ったし、たまに喧嘩した時に見る父は、私の顔を憎らしそうに睨んでいることも知っていた。
だからこれでよかったのだ。



これで全てが揃った。
きっと私はデビューできる。
早く姉と同じ舞台に立ちたい。

2018年4月→←12月



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (38 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
211人がお気に入り
設定タグ:TXT
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:チーズケーキ | 作成日時:2024年2月19日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。