2017年6月 ページ5
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アイドルになると決意した日。
父に土下座をしてアイドルになりたいと言った日。
父はわかっていたように承諾をした。
高校進学と共に韓国に渡り毎日レッスン漬けの日々が始まった。
初めての1人暮らし、初めての海外、初めての本格的なレッスン。ついていくのが精一杯で、休んでる暇なんてない。
姉の姿をすぐ後ろから見てきたからわかる姉の凄さ。
並大抵の努力じゃ姉にはなれない。
学校行ってダンスして家帰って歌の練習して課題して寝て起きて学校行っての繰り返し。
ダンスだってただ踊るだけじゃ成長しない。
ひたすらに動画を見てひたすら体を動かす。
練習してこなかった歌はカラオケレベルで、ダンスより上達が難しい。
苦戦する毎日。
それでも姉に近づくために私が努力をやめる日はなかった。
上達しない歌と反比例のようにできていく隈に精神がやられていく。姉の手紙とMVだけが頼りでそれだけを見てなんとか耐えている。
そんな中、高校1年の夏、姉の事務所のオーディション期間がやってきた。私は姉の事務所と三大事務所に応募した。
結果は惨敗。どこも最終まで通してくれなかった。茉莉の妹とは意地でも言いたくなくて実力だけの勝負をした。
まぁ現実は甘くない。仕方ない。とは言ってもまだ高校1年生。そんな私にはとても堪える現実だ。
ダンスは、10年しているけど周りの気を引けるほど上手くはないし、歌は上手くない。それに私は、姉と違って顔も良くない。母の遺伝子は入っていても姉ほど可愛くない。
のっぺりした顔についた高い鼻。唯一母から貰った高い鼻は、逆にバランスを崩している。可愛かったらなぁ..なんてそんなどうしようもないことを思っても仕方ないのはわかっていた。
姉との才能の違いに涙が溢れそうになるけれど、そんなことをしている余裕もない。
私は、片っ端からオーディションに応募した。
受からないより全然いい。姉の会社もL'AILEがなかったら中小事務所だったわけだし。
受かってからなんて考えてる私はまだまだ甘いのだろうか。いやそれでもいい。姉に近づくためならなんだってする。
「、、、、やった。」
それから1ヶ月後。
名前は聞いたことあるようなないような、そんな事務所から連絡が来た。
合格。
これでやっとスタートラインだ
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作者名:チーズケーキ | 作成日時:2024年2月19日 14時