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姉が死んでから半年、
韓国から沢山の姉の私物が届いた。
あれから私は何をする気にもなれず、学校にも行かずただひたすら部屋に篭る生活が続いていた。
父が一緒に整理しようと言ったので半年ぶりに姉の部屋に足を踏み入れる。姉が韓国に行く時に空っぽになった部屋には、まだ姉の匂いが染み付いていた。
ダンボールの1番下。封筒と通帳。
封筒にはAへと書いてある。
通帳には見たことのない額のお金、封筒には手紙が入っていた。
"この手紙を読んでるってことは、アイドルになろうって思ってくれたんだね!!
ずっと私を憧れだって言ってくれてたのすごい嬉しかったんだ。だからお金貯めてみました!わー!パチパチ!
いつかAがアイドルになりたいって言ってくれる日のために!
前、私の夢はいつかGDAを取って皆を幸せにする!って言ったけど私の本当の夢は、あなたと一緒にステージにたつこと。
それくらいあなたには才能がある。だから早くここまできて。こんなこと直接言うの恥ずかしいから手紙にしちゃったおねえちゃんだけど許してね。大好きだよ"
私は涙が止まらなかった。
姉の気持ちに、姉の期待に。応えないとって思った。
姉は確かにここにいた。
忘れられない。忘れたくない。忘れられたくない。
私は、アイドルになる。
姉の夢を叶える。
どれだけしんどくても、死んだって構わない。
それでも絶対に、アイドルになって姉の夢を叶えてみせる。
だって
逆境の中に咲く花は、どの花よりも貴重で美しいんだから。
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作者名:チーズケーキ | 作成日時:2024年2月19日 14時