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10月 ページ30

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結果発表から2ヶ月。
事務所に入ってもうすぐ1年だ。


「..1位!?」

「よく頑張ったな。次の評価も頑張れよ。」

「..ありがとうございます!!」


先生からもらった通知表。ダンスとラップの項目には1の文字。歌は相変わらず10位あたりを彷徨っているのだけど。
信じられなくて目が離せない。


ここまで一年。たまたまだったとしても1位だなんて。信じられなくて私の口角は上がってしまう。
だけどそれをよく思ってない人たちの方がここにはたくさんいた。

周りの人たちの私を見る目は明らかに冷たく好奇だった。


「A、ちょっといいか」

「はい!」


3ヶ月前に見たお偉いさんが私を呼ぶ。
ついて行った先の会議室にいたのは、この事務所で一番デビューにちかいであろうグループだった。


「..急に集められて驚いていると思うが、これからAをメンバーに追加したいと思う。」


「え?!」


そんなこと予想もしてなくて本気で驚いてしまった。
私に集まる冷めた先輩達の視線。
私よりほぼ3年以上長く生きている先輩達。
私に刺さる視線が痛い。


「...サラオンニは?」


「ここにいないサラには悪いが抜けてもらう」


「..納得できないです。どうして、一番頑張ってたオンニが抜けて..」



"こんな芋女を"そう言いたそうなジア先輩。

そりゃそうだ。サラ先輩は、epicの最年長練習生。
練習生期間も4年と大先輩だ。
その上、ダンス、歌、ラップ、何をとっても1番だった。
そんな先輩と入れ替わりで入ってきたのが何もかも劣る私だなんて、私が先輩の立場でも同じ反応をするだろう。



「今月、サラの成績をAが抜いた。」

「..でもっ!!オンニはっ!」

「うちの事務所に自己管理ができないやつなんていらない。それだけだ。」


何か言いたげなジア先輩を無視してお偉いさんは、寮と今後の評価の説明をしとけ。と雑に仕事を振ってでていった。


残ったのは先輩の冷たい視線だけだった。

.→←2018年9月



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作者名:チーズケーキ | 作成日時:2024年2月19日 14時

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