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「ワンーツー頭上がってるよー」
スタジオは熱気に包まれ、鏡に映る私達の姿が音楽に乗って躍動している。
先生のカウントに私は自分の限界を押し広げるようなステップで踊り続ける。
体が音楽に従い、心が解き放たれていく感覚は、私を別次元へと連れていく。
「しんどそうな顔しなーい！」
私達は音楽に心を委ねながら、スタジオは一つの魔法のような場に変わっていった。
「はーい、今日は、ここまで。自主練は、9:30までね。やりすぎないように！おつかれ」
「おつかれさまです。」
先生の指示でみんなが散らばる。
私は、少し休憩しようと鞄の方へ行く。
携帯がやけに明るく光っていて見てみると、
父からの不在着信が10件以上来ていた。
焦る気持ちで、父にかけ直す。すると、父の声が不安げに響く。
「A、落ちていきてくれ
茉莉が...事故にあった」
「え？笑」
「とりあえず家に帰ってこい。」
私は父の声に耳を疑いながらも、事実を受け入れられないまま、無言のまま家路についた。
家に辿り着くと、玄関で父が待っていた。
父の顔は見たことないくらい暗くてなんとなく察してしまう。
そんなわけない。私の茉莉ちゃんが。
ありえない。私は心を落ち着かせて父の顔を見ると父は口を開いた。
「A、、茉莉は…交通事故で..さっき...死んだんだ。」
言葉が冷たい風のように私の心に吹き抜ける。
信じたくない言葉に私は理解に時間がかかる。
「何言ってんの？冗談やめてよ。流石に..」
「冗談じゃない。Aが電話してきた時にはもう..」
父の声がかすれ、言葉に詰まる。私はその場に崩れ落ちた。
「だから、」
「やだ、うそだ。そんなの。ありえない」
「嘘じゃない。」
「嘘だよ！！茉莉ちゃんが死ぬわけない！」
「A！！！現実なんだよ...父さんだって信じたくない。だけど受け入れるしか...」
父の震えた手が私の肩に触れ、無力ながら慰めを試みる。
しかし、私の心は深い悲しみと拒絶感で塞がれ、理解できない出来事に苦しむばかりだった。
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作者名：チーズケーキ | 作成日時：2024年2月19日 14時
