逆境の中で咲く花はどの花よりも美しい (ページ17)

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「パート考え直そっか。」

宿舎に戻ったのは夜遅くで軽く部屋で話そうってなったけど。誰も口を開けない。
帰りのバスもずっと空気はお通夜状態で誰も一言も話さなかった。

「..ごめんなさい。..私..」

やっと誰かが口を開けたと思ったけどそれはハユンで。
ハユンは悔しそうに頭を下げる。
きっと、今謝らないといけないのはハユンじゃない。

「ハユンちゃんが悪いわけじゃないよ..とりあえず明日時間あるなら病院行った方がいいよ、後でスタッフさんに言いに行こう？」

「...はい。」

ハユンの目からは涙が溢れていた。
きっとこの場の全員が悔しい。ハユンの努力をみんな知っているから。

ダンスが苦手で覚えるのにかなり時間を要したのにメボだからって腹筋したり夜遅くまで踊ってたことをみんな知ってるから、誰もなにも言えなくて、私たちはただ黙ることしかできない。

さくらオンニが口を開きたくても開けないのはきっとまだ自分が中途半端だって思ってるからだ。

ここは私が言うしかない。私以外これをできる人がいない。

覚悟を決めなきゃ

「..私、ハユンのパートします。ダンスは、なんとかなると思うから、さくらオンニも日本に帰らないといけないし。私がやります」

「..わかった。じゃあお願いします。」

そうして決まった私のパート。
ハユンは病院に行った結果、発表の時以外の歌を禁止された。

帰ってきてからハユンは切り替えたように私の振りを覚えている。

「迷惑かけちゃってごめんね。」

「こっちこそ..うまくできなかったらごめん」

「Aならできるよー！！だってAだし！歌は教えるからダンス教えて！！ね？」

「..うん」

本人は元気に振る舞っているつもりなんだろうけど目には泣いたあとがある。きっと、昨日一晩中泣いたんだろうな。
私はやっぱりなんて声をかけたらいいのかわからない。

辛いのはハユンのはずなのに私はハユンのそばにいることが辛くて、私はわざと逃げるようにハユンから距離をとった。