【urt】オオカミ拾いました。【utit】 (ページ9)

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「ねぇねぇ、これどう？」

何故か、Aは気にしていないように振る舞っている。

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「…俺は、Aには緑の方が似合ってると思う」

半ば強制的にショッピングモールに連れられて服の専門店。
「紫と緑どっちがいい？」と言われて無意識に緑を選ぶと、「確かにしっぽの毛先緑色だもんね」なんてはにかんで言われてしまえば射抜かれてよろめく。…やっぱ可愛いよな。
名前に関しては、「都築さん！？」なんて家を出る前、扉を開けた時に叫んだら「A！」とあちらからも叫ばれたので名前呼びになっている。

「じゃあこれ買うね」

「…え、本当？それでいいの？」

「うらたくんが選んでくれたから良いの！」

…本当に、俺に襲われたのか？
はにかんでそう言う彼女は、全くと言って良いほど先程のことがなかったように純粋に俺を見る。善意なのか、本当なのか分からない。けれど、今分かるのは俺に全く敵意を向けていないことだけだ。

「レジ行ってくる！」

そう、とてとてと効果音が付きそうなほど何故かおぼつかない足取りで歩いていった。すると、足元に気配を感じる。

「…やまだ？おま、何処行ってたんだよ…」

きゅう。

そんな言葉に一言鳴くと、俺の色んなものが入っているであろう首にかけていた鞄を前に突き出す。ありがたいけどここショッピングモールだし入ったらいけないんじゃ…、なんて疑問を抱えながら鞄を貰うと、すぐに何処かへ行ってしまった。

「…え、」

あいつ…、他の飼い主でもできたのかよ。

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「買った！」

数分後、あの獣とは違うがこちらは嬉しそうに袋を俺に突き出す。…すると、ある疑問が俺の目線の先で直ぐに解決した。

「…靴屋行こ」

「え、！？」

「なんでバレた…！？」なんて小声で言うAは確信犯だ。新調したっぽい靴の下には赤くなった元が白い肌がちらりと見える。…普通、靴ズレなんて我慢するもんじゃねぇし、オオカミだからある程度動体能力はあるから隠せねぇし。

「ばか、言え。甘えろ。」

「…ぇ、あっ、はい…」

Aの手をぐいと引っぱって人波の中を歩いて行く。…繋いだ手に珍しく汗が流れてるのは嘘だ、なんて自分自身に嘘を吐くぐらいに余裕が無かったことは明日にでも忘れられれば良いのに。

　

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ほわいてじゃむさん×うしさせが大好きすぎて泣いてますありがとうシロセさん。