第1話。 ページ3
過ごしやすい春が来たが俺の心は曇りに曇っている。
「わぁ…今年も離れたなぁ…うらさん…」
「ほんとだ、うらたんだけクラス違うじゃん」
後ろで俺の友人二人が騒いでいる。そんなの目の前のクラス表を見たんだからわかっている。黙ってくれ
「んなこと、わかってる…んあぁ、なんで俺だけ…なにこれ呪い?」
「う、うらさん、大丈夫やって!今年は俺らに話しかける流れでAに話しかければええやん!?」
「それができたら、とっくに話してる。無理だ…」
女子と普段話せないわけではない、彼女…神埼Aさんの前だと声が出なくなるのだ…これが恋の力なのだろうか…何を言っているんだ俺は…
「うらたん?おーい!おいおーい!」
「なんか、考えこんどる?」
今年も図書室に通う一年が始まるのか…彼女が今年も図書委員を選ぶとは限らないけど…。
最初は一緒の委員会も考えたけど絶対緊張して仕事できないから無理。遠目から見てるだけでも満足だし…
「さ…ん!…うら…!うらさん!!!」
「うおぉぉっ!!?な、なんだよ坂田」
「うらたんがぼーっとしてるうちにA、通りすぎちゃったよ〜」
坂田の大声にビックリしながらも続けて聞こえた翔太の言葉に絶望する。
まじかよ…いっつもこんな感じじゃねーか…
「とりあえず、教室向かうかお前らとも別だけど」
「せやな!クラスは隣やし、遊びに来ればええんよ!」
「そうだね〜、時間も時間だし行った方がいいかも」
浦田渉、今学期の目標は気になっている神埼Aさんに声をかけることだ。
6人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
真冬 - 浦田さん大好きな歌い手です!ありがとうございます! (2021年7月21日 18時) (レス) id: 77b5772630 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:月彗 | 作成日時:2018年7月9日 17時