これも日常【うらたぬき】

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帰宅準備を終えたうらたさんは｢まふとそらっぴに挨拶してくる｣と言って楽屋を出ていった

さかたんには先程挨拶を済ませ、未だ体調が優れない事から早々に帰って行くのを見た

彼は毎年この季節にライブを詰めるだけ詰めて喉を壊したり、風邪をひいたり…と心配な限りである


｢______ さかたん喉大丈夫？｣

｢いやーちょっと無理しすぎたわぁ、大阪までには意地でも治す！｣

｢そかそか、安静にしときなね｣

｢はーい、んじゃAも風邪ひかんようにな｣


ばいばーいと言いながら手を振ってマフラーに顔を填めたさかたんを見送った



＊



｢待たせたな、帰ろっか｣

｢おかえりうらたさん｣


15分くらいして漸く戻ってきたうらたさんに腕を引かれ、会場の裏口から外に出て予めスタッフさんが呼んでいてくれたらしいタクシーに乗り込む。

横浜から東京方面に向かうのなら圧倒的に電車を用いた方が格安なのは当たり前だが、リスナーでぎゅうぎゅうの車内に乗り込むほど彼らも馬鹿ではない

変に危険を犯すよりも高いタクシー代を払って安全に帰る方が至極当然のことである


｢今日の俺どうだった？｣

｢え、…うーん、めちゃめちゃビジュが良かった…｣

｢まじ？｣

｢マジです｣

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