正直、とても窮屈です。 (ページ43)

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｢本当にごめんなさい。迷惑かけてばっかりでごめんなさい。……さかたは天才だけど、でも知らないところで努力してるのを知って、そんな努力が魔犯行なんかで終わって欲しくなくて。周りが見えてなかったの。

…天才だって褒められて少し暗くなるのはそういうことだったんだって分かって…。さかただってたくさん頑張ってるのに。認められるべきだって思ったの。……ごめんなさい。｣

雑魚ちゃんの体は震えていた。

痛みに耐えているのか、はたまた気持ちの問題なのか。

心が強すぎる俺には分からなかった。

❤️｢……なんで雑魚ちゃんは俺が天才って言われるのが嫌なの知ってんの？｣

｢ずっと見てたから。さかたたちは有名人で、みんなの前に立つことも多かったでしょ。その度に思ってた。あの人はなんで天才って褒められると寂しそうな顔をするんだろうって。｣

そこまで見られていたとは思わなかった。

驚いて思わず言葉を失ってしまった。

その黙った俺に怯えて雑魚ちゃんは小さくまたごめんなさいと繰り返した。

雨で体はぐっしょりと濡れ、前髪が目にかかり雑魚ちゃんの表情は分からない。

けど、落ち込んでいて、悲しそうなのは普段人の顔色をうかがうのが苦手な俺でも容易に理解出来た。

この子は俺のことを心から心配して、ひとりじゃ何も出来ないくせに、駆け出してきたんだ。

体が傷だらけになろうとお構いなしにこの子は俺のために突っ走ってきた。

俺のこの努力を認めるためだけに。ただそれだけのために。

なんでこの子はこんなに自己犠牲してしまうんだろう。

俺も雑魚ちゃんが大切なのに。

同じ大切なのに。

俺は自分を痛めつけてでもこの子を守ることが出来なかった。

雑魚ちゃんの心を今思い切り傷つけてしまった。

俺のためにしてくれことを、否定してしまった。

何やってんの。

ほんと。