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Aちゃんはこの保健室お得意様のようだ。
傷だらけで運ばれてくることはざらにあるんだと。
恐ろしい世界やなぁ。
こんなことして、何が楽しいのか全くわからん。
弱いものいじめは心の弱さの象徴。
自分の強さが危ぶまれると、人は他人に危害を加える。
(お前らは猿なんか。)
猿にも失礼や。
こんなヘンテコ寮生活が始まるまでAちゃんの存在なんか知らなかった。
一生関わることの無いような人だった。
それは俺が避けているとか、向こうが怖がっているというわけでなく、
もうこの時点で、俺らとAちゃんが活動していくフィールドは世知辛いものでもうほぼほぼ決まっている。
俺らのフィールドとAちゃんの居場所は両極端。
交わるはずがなかった。
だから、俺らを掻き乱して
新しいものを見せてくれて
色をつけていくんだ。
Aちゃんといると自然と顔が綻ぶ。
平和ボケしたようなあのふにゃふにゃの笑顔は妙にいやされる。
Aちゃんから貰う幸せを感じて、もう手放したくなくなってしまった。
つまり俺はまんまとAちゃんの呪いにかかってしまったわけか。
無意識にかけるあの子の呪いは末恐ろしいもので、
俺らでさえも、Aちゃんに依存して離れられない。
誰かに依存するのは弱さの象徴かもしれない。
しかし、Aちゃんになら、
Aちゃんの呪いなのであれば、
一生弱くたっていいと思えてしまう。
Aちゃんに近づく害悪は片っ端から潰していきたい。
Aちゃんを汚いものにしたくない。
純白を守っていくには俺は必要不可欠だと思ってる。
このままずっとそばにいさせてよ__
集中的に襲った緊張が解れてか、
プツリと寝てしまったAちゃん。
💛｢…寂しいからはよ目覚ましてほしいなぁ｣
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作者名：むん | 作成日時：2023年5月29日 21時
