正直、とても窮屈です。 (ページ30)

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｢そんな汚い手で触れないでもらえます？｣

｢へ？｣

センラだ…

初めて見たセンラの怒った顔。

温厚そうな彼からは想像できない程のこわもて。

私を掴んでいるこの子もそうだが、私も相当震えた。

💛｢…はよ離せや｣

余計な言葉は言わない。

しかしその一言は体にガツンと響いて

掴まれていた胸ぐらは急に空き、

私はカッコ悪く尻もちをついた。

女の子はと言うと、魔法が使えるというのに

全速力で走って私たちの前から姿を消した。

気がつけば周りには人集りが。

弱いものいじめなんてこの学校ではざらにあって、

先生たちが気づいていても黙認しているものや、

気づかれないようにする陰湿なものまで、本当に嫌がらせのネタは多種多様だ。

いわばこんなこと日常茶飯事のこの学校で珍しく野次馬がたかってるのは

私に近づいてくるこの人が原因だ。

💛｢痛そうやね……｣

｢センラ…どうして、｣

💛｢この前も言ったやろ？守るって｣

あやすように、優しくゆっくりと大きな手で私の頭を撫でた。

💛｢保健室、いきましょ｣

そう言うと私のことを横抱きにし、ちょっと道開けてと言った。

周りの人は怯えるようにゾロゾロと退いて、私を訝しげに見てきた。

💛｢ほんと害悪が…｣

そうボソッと言ったセンラ。

怒っているようで、悲しそうな顔をしていた。