【歌い手】惚、好、愛、結 team.B【大型コラボ】 (ページ11)

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めじるしなんだ。

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週の始めから、なんだか気分が重かった。何をしてもずっと曇り空。

好きな音楽を聴いても、好きな物を食べても、好きな服を着ても。ココロが鉛を纏って、鎖で縛ってしまったみたいに重かった。

その上、嫌なことは連鎖するもので。

仕事でのミス。誰が悪いわけでもなかった。こちらとあちらの解釈違い。運悪く消し飛んだデータ。後輩の手違い。その担当が全部、私だっただけ。ただそれだけ。

「つらい、なぁ……」

消えたいと思った。普段なら、絶対に考えないことだけど。今、猛烈に消えたくなった。

真っ暗闇で、名前も知らない星と遥かの月だけが見ている。それだけしか、見ていない。冷たいベッドの中で、膝を抱えたまま溺れる。このまま、夜に融けてしまえたら、どれだけ楽だろうか。

♪～～

不気味に、液晶が光った。なんてことないブルーライトですら、痛くて。誰かと話す気力すらなくて、バツ印に向かって指を滑らす。

『あ、A？今、大丈夫？』

なのに、気付けば溢れ出す幼なじみの煌めき。ごめん、今は貴方と話したくない。貴方とだけは……

『A？おーい、聞こえてるー？』
「……ま、ふ」

だって、貴方と話したら。

「たすけて」
『っいま、行くから！そこから一歩も動くな』

この涙を止める術が分からなくなっちゃうから。私の全てが流れ出てしまうから。

ねぇ、早くこの雨空に、虹を架けてよ。

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「独りで全部抱え込むのは、Aの悪い癖だよ。もっと僕を頼って」

ぐずぐずに泣いて、このまま溶けてスライムになるんじゃないかってくらいに泣き喚いて。

「辛かったら、泣いてもいいんだよ。しんどかったら、休んでもいい。独りで眠れなかったら、僕が隣にいる」

普段は私１人で入るはずのベッドに２人。そんなに広くないから、互いの心音が聞こえる距離で。互いの息が交じるキョリで。隙間なく、星の光も月の影も入り込めないくらいにぴったりと。

大丈夫だよって、安心感をくれる。
消えないでって、居場所をくれる。

「……まふ、ありがとう」
「うん。もう、独りで泣かないで。僕がいるから。Aのことは、僕がずっと見ているから」

だから、安心しておやすみ。

瞼を閉じた後、泣かぬ蛍が身を焦がす。

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どんな暗闇で溺れていても、

目印は君なんだ。

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