【歌い手】惚、好、愛、結 team.A【大型コラボ】 (ページ16)

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「志麻さん！！！」

「「まーしぃ！！」」

　
ここで、終わるわけにはいかない……
負けられない、俺にはまだ伝えたいことが言わなきゃいけないことがある！

　
「魔界で四天王とか言われとるんや…甘くみんといてや！！」

「え、あいつあんなに守りうまかったっけ。」

「カッコつけたのにそんなこと言わんで！？」

　
とはいえ、さすがに天使共の攻撃受け続けて…この状態でいつまで持つか…
ここで終わってしまうなら…最期に彼女の顔でも…とか思って愛しい人の姿を見れば
彼女は、俺を見て何かを決意したらしい。その顔には覚悟と、そして涙が浮かんでいた。

　
「……やめなさい。」

「しかし！！聖王様！」

「私の命を聞かぬと、そう言うのですか。」

「い、いえ……」

　
攻撃が止んだ。それと同時に、大好きな彼女の大嫌いな魔力が辺りを支配する。
何を、するつもりなんや。大嫌いな聖属性のせいだけじゃない痛みが胸を支配していた。

　
「私たちは……もともと光と闇、相いれない種族です。」

「はい、だから我々は奴らを……」

「その考えが間違っていたのです、私達にとっての悪が彼らのように…彼らにとっての悪は私達。
私達は互いに互いの正義を、押し付け合って争っていただけ。それならば……」

　
そう言って、彼女の涙が地面に落ちた。
まばゆい光が天界と魔界の境界に、一筋の白い光となって浮かび上がった。
あぁ、そういうことか。彼女が俺を守るために…二度と会わないという選択をしたのか。

　
「夜が、安らぎを与えるように。太陽が影を作るように。天使も悪魔も必要な存在です。
私達が争う必要性はないのです、それならば……不可侵の境界を生み出してしまえばいい。
いかがでしょうか、四天王の皆さん。この境界で、私達は背中合わせの関係に相いれない関係に
争いを失くしませんか？何千年と続く争いを…今ここで、終わらせませんか？」

　
決意を、覚悟を決めた彼女の顔は今まで見てきたどんな顔より気高く、美しく見えた。
あぁ、そんな顔をされてしまったら俺のわがままなんて、吹き飛んでしまう。
今俺は、どんな表情をしているのだろうか。

　
「……俺達4人を除き、他の奴らは戻ってろ。」

「しかし！」

「てめぇらも、俺のいうことが聞けないってか？」

「いえ……」

「失せろ。」

　
うらたさんの圧がこもった一言で、この場には俺達4人以外誰もいなくなった。

　
　
それは、彼の優しさか。