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【そらる】雨音響く。/朔 ページ1

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ザアザアと雨が降り頻る中。彼女との久しぶりにデートに俺は心躍らせていた。


「今日、久しぶりのデートだね」
「あぁ。Aが水族館が良いって言ったから水族館にしたけど、こんな天気だから丁度良かった」
「うん、そうだね」


一ヶ月ほどお互いが忙しくしたいたために、この一ヶ月間は全く会えない状況が続いていた。
だが、手に取るように分かる。彼女は今日、全く元気がない。


「A、元気ないね?どうしたの?」
「ううん?何でもないよ。さ、行こ」
「う、うん……」


明らかに様子がおかしい。何故こんなにも元気が無いのか。この一ヶ月で何があったと言うのだ。
思い返してみれば、忙しいのはどちらかと言えばAの方であった。俺は会おうと思えば会える時間はあったし、電話等ならばいくらでもできた。

だが、彼女がそれを拒んだのだ。会う時間もない、電話したいけど寝るから無理だ。と。


「A、この一ヶ月何してたの?」
「…大学。レポートが訳わかんないぐらい出てた」
「そ、うなんだ……」


彼女のその様な顔を見ていては、俺までついつい悲しい気分に陥ってしまった。

。.・◆・.。*†*。.・◆・.。*†*。.・◆・.。


「今日、楽しかった?」


大好きな、この世で一番愛している彼が私の様子を見ながら尋ねてくる。
この一ヶ月、忙しかったと言うのは嘘ではない。本当である。
だが、彼に会おうとしなかったのは故意なのだ。彼の事を忘れなければならないから。彼に寂しい思いをさせる前に、彼に別れを告げなければ。

有難いことに、音楽の勉強をするために海外留学が決まっていた。問題は留学年数だ。その年数は約二年。彼との距離は日本とイギリスと言うとてもでは無い距離になるであろうことから、私は彼との別れの準備に入った。


「楽しかったよ」
「そっか、良かった。A、やっぱり元気ないから」
「ねぇ、そらる」


早く、言わないといけないのだ。このまま言わずに海外へ行ってしまうことなど出来ない。かと言って、海外へ行くと話をすることもできない。

でないと、彼を束縛してしまうから。二年も彼に一人で待ち続けて貰うことになるから。幾ら彼でも、二年間もの間でもは私に飽きてしまうだろうし、もしもその時新たな想い人が出来てしまえば。
彼は私への罪悪感で新しい道を進めなくなるから。

*→



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設定タグ:歌い手 , 大型コラボ,合作 , 隠れた愛の言葉   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:作者一同 | 作者ホームページ:***  
作成日時:2019年8月14日 8時

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