Solis dea ＿Episode-3 (ページ2)

今日:1 hit、昨日:6 hit、合計:33,608 hit

3-2 ページ2

❊

『あなたが、美紀さん？』

静まるみんな、身構える彼女。

そうだけどと低い声で答えた彼女とこれ以上話をするのは難しそうだと思い、そうですかお疲れ様ですとだけ返した。

皆さんの目には私の言動が奇行に見えたらしく視線が痛い。

気まずくて、これ食べていいですか？なんて冗談を言ってみたら慌ててどうぞと取り分けてくれたり飲み物をくれた。

返って悪いことしたなと思いながらも久しぶりの病院食以外の食べ物を目の前にすると自然と手が進んでしまった。

美紀さんは後ろから何か言ってるようだけど私は何故か相手にしてはいけないと感じて無視する。

空気読めない行動をしてしまったのもあり、場を和ませたくて美味しいありがとうなどと言って回る。

ほっとした表情のみんなを見て私も落ち着いた。

そんな私を見て更にヒートアップしてしまいマネージャーとスタッフさんに連れていかれる彼女。

段々と凍った空気が暖かくなり、いつの間にかワイワイと盛り上がっていた。

表面上は。

それくらいの察しはつくから私も気付かないふりをして楽しんだ。

❊

盛り上がりも落ち着き、ゆったりとした時間が流れ始めたのでお水片手に考え事をする。

扉を開けた瞬間聞こえてきた彼女の声。

＿＿そうよ私が落としたのよ！

本当にタイミング悪く入ってきたな私。

喧嘩してるような怒鳴り声。

ただ私には落としたの意味がわからない。

ぐるぐる1人で考えていた。

大西「居酒屋常連のおっちゃんか！」

『……あんちゃん、ここの出汁巻きは絶品だよ』

ツッコミに適当に返したらウケてしまってまた盛り上がる。

今日はもう、考えるのをやめよう。

ありがとう流星、と心の中で呟いた。