推しの綱海の妹になったんだけどこれなんてご褒美？ (ページ8)

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8話ページ8

生後17ヶ月、私は今年で2歳、にーには3歳になる。今年からにーにが幼稚園に通う。はっきり言って、寂しいことこの上ない。私も幼稚園行きたい。って、お母さんに言ったけど、何言ってるかわからないと言われた。解せぬ。

まあ、私の歳だと無理だけど。

今日は幼稚園の入園式である為、私も一緒に入園式行くことができる。

今は、仲良く手を繋いで幼稚園に向かっている。

「A、俺は今日から幼稚園行くんだぞ」

「うん、しゅごい」

「だろ！」

すっかり上手に話せるようになったね、可愛い。一日に一回はにーにのこと可愛いと思ってるわ。その内、かっこいいに変わるだろうけど。

「いいか、俺が幼稚園行っても泣いちゃだめだぞ」

「うん」

「母さんにめいわくかけるなよ？」

「うん」

「幼稚園おわったら、すぐにかえってきてやる！」

「うん、あーがと」

後ろからは、「もうすっかりお兄ちゃんね〜」
という母の言葉が聞こえてくる。

だが一つ言わせてくれ兄よ。

迷惑をかけているのは貴方では？

「あ！着いた！」

入り口の立て看板には、『大海原幼稚園入園式』と書いてある。こういうのって全部達筆だけど、誰が書いてんだろうね。

ここからは別行動となるので、繋いでいた手を離し、お父さんに抱っこしてもらう。お母さんは、付き添わなければいけないらしい。お疲れ様です。

「あ……」

「………」

その目をやめてくれーー！！なんかもうちょっと手を繋いでいたかったみたいな顔をしないで！私ももっと繋いでいたかった！

「………A！」

呼ばれたので振り向くと、にーにが私のことを指さしていた。

「俺のことちゃんと見てろよ！にーにはかっこよく返事するからな！絶対だぞ！」

「うん！」

何事かと思えば、そんなことか。大丈夫です私はいつも貴方しか見えてません。

「こら、人を指さしたらダメでしょ」

本人はお母さんに怒られてるけど。

「じゃあカメラよろしくね」

「うん。任しといて。

ほらA、にーにに頑張ってって」

お父さんがそんなことを言うので、にーにがこちらをじーっと見てる。

………仕方ない。恥ずかしけど、期待に応えてやりましょう！

「にーに、がんあって」

………すこーし上手く言えなかったけど、にーにが満足そうなので、良しとしよう。

「うん！にーに頑張るからな！」

宣言通り、入園式中に名前を呼ばれると、にーには元気良く返事をしていた。