また、お前に【A3!】

出会い２ ページ19

「ごちそうさま。うまかった」

「お粗末様でした」

俺が弁当を食べている間、１年女子……摂津はずっとケータイをいじりながら俺の質問に答えてた。

摂津も体調不良で保健室に来たってこと、養護教諭はいないが、帰る気力もなかったので許可を得て此処で寝てたこと。

其処に俺が運ばれてきたことなどなどを説明してもらった。

「何してんの」

「ゲームです。今回イベのランク争いが激しくて。２桁抜けらんないんですよね」

画面をのぞき込むと、俺がやってるのと同じゲーム。

今日この状態の原因になったゲームでもある。


そこで、俺の脳に一つの名案が浮かんだ。

「勝負しない？」

「は？」

俺はポケットから携帯を出す。

ちなみに当時はガラケーだ。

「俺も同じゲームやってんの。俺と勝負して、お前が勝ったらなんでも一ついうこと聞いてあげる。そのかわり、俺が勝ったら……







明日から俺の弁当作ってきてよ」



「……は？」


ぽかん、とした顔をする摂津。

「お前の弁当うまかったから。勿論材料費なんかは出すよ」

だんだん意味を理解してきたらしい摂津はニヤリと笑みを浮かべた。

「……いいですよ。その勝負、受けて立ちます」

「交渉成立」


ニヤリと笑みを浮かべると、摂津はまたクスっと笑った。


「猫かぶってる笑顔より、そっちのほうが素敵ですよ。茅ヶ崎センパイ」


楽しそうに笑う摂津。









思えば、あの時から俺はAに惚れていたのかもしれない。

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