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「……ありがとうございました、アルビダ様」
「ーーフンッ。次会ったときはその性格、治しておくんだね」
「……っはい」
そう言って、くるりと背を向ける私。オレンジの町についた。漂流サバイバルから半ば解放されたに近い。なんのせ何も持ってなかったんだから、腕力のないマインクラフトが始まるところだった。
「……アルビダ様！」
「…………なんだい」
「このご恩、一生涯忘れません。お手紙を書かせていただいても、宜しいですか！」
乗組員全員に怪訝な顔をされ、また変なことを言い出したとアルビダ様に笑われるーー約1日前。
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現在絶賛無人島サバイバルが開始されておりますAです。浜辺に寝っ転がってて起床5秒後に叫びやがりましたせいで若干頭痛です。太陽サンサンでクラクラです。何だ、お前は私を殺す気か。
「えー……。状況を把握させてくれまず……」
ちなみに現在地は孤島。先ほど浜辺を歩いていたら5分ちょっとで一周しちまいました。ついでに言うと島の中心部は若干森っております。
「どーすんの、これ……」
買いたてベッドで安眠していたはずなのだが。
まぁみての通り、目の前に広がるのは海だ広いな大きいなであって。背後に待ち構えるのはVRよろしくとでも言いたいのか生い茂った森であって。ほっぺたをつねるという古典的かつ現在誰も使用しないだろう方法でも目が覚めない。
ふざけるのもこれくらいにしておこう。
何だ、その。
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(気づいたら海にいたん、だよな？)
ちょっとパニックだ。
目が覚めたら海にいましたなんて話、誰が信じるんだろう。
ざあ、と不規則な波の音が、空虚さを際立たせている。助けを呼ぶとかそんなこと頭になくて。
「どうなるんだろうなー。これ」
一通り浜辺の探索を終えている私は、ぺたんと砂浜に座る。
段々今の状況になれてきた。
海にいる、ただそれだけ。
「……それだけ、だよね」
いつからか、波が荒くなっていることにも気付かずに。
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作者名：K | 作成日時：2019年5月18日 15時
