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「おれはけがだって全然怖くねぇんだ！連れてってくれよ！次の航海！」
「おーおー、随分強気なこってなぁ」
「俺のパンチはピストルのように強いんだ！」
「おーおー、凄いなぁルフィは」
「見てろよ！姉ちゃん！」
「おーおー、…………名前、Aだからな？」
「嫌だ！姉ちゃんが良い！！」
「うん聞け？」
ーー姉ちゃん、オレのこと覚えてっかな。
近海のヌシを倒したルフィは、無事にフーシャ村を出て難航した。そして、荒波のなか入った樽のなか、夢を見た。
夢の中に出てきたのは、幼い頃の記憶。彼の脳には幼少期に出会った、ある女性が思い出された。
出会ったばかりの頃は話こそ聞いてくれたが、特に興味は無さそうな顔をされ。「何で話聞いてくれねーんだよー！」と追い回すも、だんだん華麗に逃げられるようになっていき。ついには、いつのまにかフーシャ村からいなくなっていた「姉ちゃん」。
マキノは「旅に出たらしいわよ？」と笑っていたが、ルフィは知っていた。その姉はちょくちょく、コルボ山に来ていたことを。そして多分、エースに谷底へ落とされた時も拾ってくれたのは彼女なのだと。まぁそれ以外は知らないが。
「……笑っとけ。ルフィは笑ってる方が良い」
「できるかどうかじゃない。なりないんなら、なりにいけよ？」
「世界には、きみ以外に誰も歩むことのできない唯一の道がある。その道はどこに行き着くのか、と問うてはならないんだ。……ひたすら進め、ルフィ。」
けれども記憶の中ににある彼女の言葉はすべてが美しくて、それゆえにどこか、心に残る。
「会えるといいなァ〜……」
小さな寝言は、きっとどこにも届かない。そしてルフィは知らなかった。その姉は、主人公と関わりを持つことに危機感を抱いていたことを。
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作者名：K | 作成日時：2019年5月18日 15時
