検索窓
今日:3 hit、昨日:8 hit、合計:7,612 hit

密室での事。 ページ10

※少し甘め


私は確かに自分の部屋で寝ていた。

なのにいつのまにやら、見知らぬ部屋にいたのだ。


何故かハルヤと一緒に。

そして彼の片手と私の片手が鎖で巻かれていた。


「ちょっと」

「何だ」


「これ何、なんで鎖で繋がれてるの」

「知るか」


ハルヤも私と同じ目に遭ったらしい。

不機嫌なのが、口調と声で分かる。


頑張って繋がれていない手で外そうとしても、びくともしなかった。


諦めて大人しくしていると、背中合わせの私達の前に一枚の紙が落ちてきた。

その紙には何も書かれていなかったが、次第に文字が浮き彫りになった。


『脱出方法:どちらかが相手にキスをする』


「よし、さっさと終わらせるぞ」

「正気?ハルヤ、この文字の意味分かってる?」


ハルヤの口から出た意外すぎる言葉に、驚きつつ呆れていると

急に距離を縮めてきた。


「え、やだっ、ちょっと」

「早く出たいでしょ?」


「む、無理······」

頑なに拒むと、溜め息を一つついて、私の目を手で隠してきた。


「ハルヤ······っん」


唇に暖かく柔らかいものがあたった。

小さくリップ音が聞こえると、手も、柔らかいものも離れていく。


目を開くと、上機嫌なハルヤの顔が見えた。


音を立てて鎖は壊れ、空間は消えて、自分の部屋にいた。

でも、そんなことよりも頭を支配しているのは、ハルヤとキスをしたという事実。


「ふっ、顔真っ赤」

「うるさいっ、なんで急に······」


「悪くなかっただろ?」

「わ、悪い。悪すぎる!」


喉を鳴らして笑うと、また近づいてきた。

そして私の頬に当てると、耳元で囁くように言ってきた。






「もう一回、して良い?」





end

検証そのに!!  1→←2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (13 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
10人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Kaede | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年12月21日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。