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ハルヤ視点


「酒呑君?」

姫の傍へ行くと、見知らぬ男がいた。

背丈が俺と同じくらいだから、学生だろう。


「姫、隣の奴は······」

「奴だなんて言わないでよ、私の彼氏なんだから」

「は、か、彼氏?」


男の腕にべったりとくっつき、満足げな顔をしている。

隣のそいつも笑っていた。

何処か笑い方がAに似ている気がしたが、気のせいだろう。


「だから、私と彼の時間、邪魔しないでよね」

「ですが姫、何か身に危険が迫れば······」


俺が姫をお守りしなければ、まだ自分で身を守ることなど出来ない筈。

すると、隣の奴が姫を庇うようなな体制を取った。


「何の事か知らないけど、ナツメのことは俺が守ります。

彼女もこう言っているんだし、意見を尊重して上げてください」


「何を人間が知った風に言っている!」


鋭い眼孔で見るそいつに腹が立った。


人間ごときに出来ることなど限られているというのに、守りきれると言えないのに

よくもそんなことを軽々しくも言えたものだ。


だが、確かに一理あるとは思う。


「······検討致します」



そして、その男がAと知ったのは、もう少し先だった。



________
___________

「大丈夫だった?酒呑君、怒ってない?」

「ん?あぁ、大丈夫。何か機嫌良かったし。結果オーライ」


「えっ、何で······?」





end

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作者名:Kaede | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年12月21日 2時

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