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ハルヤ視点
「酒呑君?」
姫の傍へ行くと、見知らぬ男がいた。
背丈が俺と同じくらいだから、学生だろう。
「姫、隣の奴は······」
「奴だなんて言わないでよ、私の彼氏なんだから」
「は、か、彼氏?」
男の腕にべったりとくっつき、満足げな顔をしている。
隣のそいつも笑っていた。
何処か笑い方がAに似ている気がしたが、気のせいだろう。
「だから、私と彼の時間、邪魔しないでよね」
「ですが姫、何か身に危険が迫れば······」
俺が姫をお守りしなければ、まだ自分で身を守ることなど出来ない筈。
すると、隣の奴が姫を庇うようなな体制を取った。
「何の事か知らないけど、ナツメのことは俺が守ります。
彼女もこう言っているんだし、意見を尊重して上げてください」
「何を人間が知った風に言っている!」
鋭い眼孔で見るそいつに腹が立った。
人間ごときに出来ることなど限られているというのに、守りきれると言えないのに
よくもそんなことを軽々しくも言えたものだ。
だが、確かに一理あるとは思う。
「······検討致します」
そして、その男がAと知ったのは、もう少し先だった。
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「大丈夫だった?酒呑君、怒ってない?」
「ん?あぁ、大丈夫。何か機嫌良かったし。結果オーライ」
「えっ、何で······?」
end
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