三粒 ページ5
柱合会議がまた行われる時期に、彼奴の____耀哉の屋敷の前に見慣れない少年が倒れていた。
竈門炭治郎とか言う、鬼の妹を連れた鬼殺隊員。
耀哉が此処に連れてくるように指示した少年だ。
戦闘後で、体はボロボロだったが、妹思いの少年。
実弥にも臆することなく、自分の体のことも気にせずにただ妹を守ろうとした。
庭から聞こえる喧騒に、耀哉は庭の方へ目を向けた。
「······皆元気そうだね。Aには外はどう見えているのかな」
「竈門炭治郎という少年が、鬼の少女の事について実弥と争ってる」
「やはり、皆鬼を連れていることに動揺しているそうだね」
「まあ、鬼を狩っている
少し、様子を見に行ってくれないかな。
そう言われ、俺はそっと物陰から様子を窺っていた。
すると実弥が自分の日輪刀で箱を刺した。鬼の少女の血が刀にべったりと付いている。
炭治郎は実弥に攻撃しようとした。手が縄で縛られているにも関わらず。
俺は額で殴ろうとしている炭治郎と実弥の間に手を伸ばし、寸での所で炭治郎を押し返した。
すると炭治郎は意図も簡単に後ろへと倒れた。
「A!」
「Aさん!?」
どこにいたんだ、と口々に他の柱たちの口から聞こえるが、今は無視だ。
「実弥、ここで粗相はあまり起こすな。もうじき
「んだと······てめぇ鬼を見過ごそうとしてんのかァ?」
「言いたいことも分からなくはないが、ここではするなと言っているんだ」
今にも襲いかかってきそうな実弥に背を向け、炭治郎の方を見る。
何が起こったのか分かっていないような困惑した顔をして俺を見ていた。
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