ねぇ、増田先生？ (ページ23)

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『おぉ、どしたどした。つらいね、好きなだけ泣きな。』

優しい声にまた涙が止まらなくなる。
増田先生は私の背中をさすってくれる。
だいじょうぶ、って何度も言って。

『落ち着いた？』

「はい、すみません。ご迷惑お掛けしました。」

『なんも謝ることないよ。でも無理にとは言わないけど、泣いちゃった理由は聞かせてほしいな。Aさんの役になれるように頑張るから。』

それは先生が好きすぎるから。だいすきで苦しいから。
でもそんなこと絶対言えない。いや、言っちゃいけない。
だって、増田先生にとって私は大事な生徒なんだから。

「えっと、親と喧嘩しちゃったんです。すいません、こんな個人的なことで呼んでしまって。」

あっさり嘘が出てくる自分にびっくり

『そっかそっかぁ、俺もAさんくらいのときはめちゃくちゃ喧嘩したよ。何時だと思ってるんだ！ってね。散々親におこられた。』

へへっ、と笑う増田先生はやんちゃな高校生みたい。

『でもね？それってAさんのことが大切で、心配だからなんだよ。』

いつになく増田先生の顔はまじめ。
でも口をムッとさせてるのが可愛い。
よしよしってしたくなっちゃう。

『ねぇAさん聞いてるの？笑おれ結構真剣に話してたよ？笑』

あれ、バレてた。

「わ〜すいません！なんか増田先生に話し聞いてもらったら楽になりました。ありがとうございました。」

これ以上一緒にいるとまた泣いちゃいそうで、立ち上がった

『あ、Aさん。ちょっと目赤くなっちゃってるから、次の授業は休みな？おれが先生には言っとくから。』

「あ、ありがとうこざいます」

そんなに優しくされたら、勘違いしちゃうよ。
あ、ほかの女の子にもこうやって優しくしてるよね。
でも、片想いでもいいんです。大事な生徒でもいいんです。
だから、好きでいてもいいですか？