ねぇ、増田先生？ (ページ12)

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安心して完全に体の力が抜けてしまい、その場に崩れ落ちた

そんな私を増田先生は強く、優しく、抱きしめてくれた

『ごめんね、もっと早く助けてあげられなくて。でも、もう大丈夫だよ。俺がいるからね。』

「うぅっ、ます、だ、せんせ。怖かったよぉ。……っ本当に死んじゃうかと……っおもった。」

増田先生の腕の中で、私は声を上げて泣いた

『うん、うん。怖かったね、Aさんは頑張ったよ。』

増田先生は赤ちゃんをあやすみたいに背中をポンポンとしてくれる

『Aさん？ここだとあれだからさ、一旦場所変えよっか。歩けそう？』

申し訳ないけど、腰が抜けちゃって立てそうもないので首を横に振る

『じゃあ、嫌かもしれないけどちょっとだけ我慢してね？』

すると増田先生は私のことをふわっと持ち上げた

あ、私お姫様抱っこされてるんだ

顔が赤くなってるのが自分でも分かる

『ふふふ、ごめんね？あと少しだから。』

そういえばどこ行くんだろう？あと少しって、、、、

「せんせ？あと少しってどこ行くんですか？」

『おれ車の車だよ。それでAさんのおうちまで送ってくから。』

「えぇ！そんな大丈夫ですよ。歩いて帰れますから。それに増田先生もお疲れですよね？」

『そんな遠慮しないでよ〜。おれが送りたいの。ほら、もう着いちゃったし。』

目の前にあったのは黒のSUV

うわぁーかっこいい車

私のイメージでは、黄色とかはピンクとかのパステルカラーっぽいのを想像してた

そんなことを考えているうちに増田先生は器用に片手でドアを開けて私を助手席に乗せてくれた

中も黒とグレーっぽい色合いで男の人って感じ

少し緊張するなぁ

『Aさんのお家どこ？』

「えっと暁駅の近くです。」

『え！？めっちゃ遠くない？毎日そんなとこから通ってるのすごいね！それじゃあ出発進行〜！』

増田先生は雰囲気が暗くならないように、たくさんお話してくれた

増田先生の高校時代の話とか、どれもぐふふふふって笑いながら話すから、こっちまで楽しくなる

なんだか家に帰りたくなくなっちゃう

この時間がずっと続けばいいのに