五条悟、拾いました。

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それから暫くして、私は会社を辞めた。


会社を辞めてからというもの、身も心も持ち直した私は毎日悟にご飯を作った。


悟の作る朝ご飯が好きでたまに作ってと言ったら、嬉しそうにいいよと言ってくれた。


お昼も私のご飯を食べたいと言い出したから最近はお弁当も持たせている。



「A、ただいま」

『おかえり悟、今日は遅かったね』

「急に仕事が増えてさ〜、ほんと人使い荒いよね上の連中」


ぶつぶつと文句を言いながらも、お腹すいたと布団に突っ伏する悟。



『お腹すいたなら席につきなよ』

「ん〜、起こして」



もぞもぞと仰向けになりながら手を伸ばす姿は、控えめに言って最高。

とは言えこんなデカブツを持ち上げられるはずもなく。



『無理、悟重いし』



速攻断った。


私はゴリラじゃねぇぞ？



「……拗ねた」

『拗ねてもイケメンだよ、良かったね』



適当な返事にいよいよ本当に拗ねたのか、悟はうつ伏せになって黙り込んだ。


こうなるとこいつは面倒臭い。


でっかい赤ちゃんみたい。イケメンな。



『はいはい拗ねないの』



ご飯食べよと言いながら、悟を引っ張る。




うん、無理。

重いもん、全然起こせないわ。


だって見て？ぴくりとも動かないよ、え？



『えっ』



突然何かに引っ張られて、倒れ込む。


いつの間にか悟の顔が真横にあって。


一瞬、何も無いのに転けたのかと思った。


いや、立ってるだけなのに何かに転けるとか逆に凄いわ！

ドジっ子にも程があるでしょ、ドジっ子じゃないけど。

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