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『……煉獄さん』
“煉獄さんが君をここまでおぶってきたんですよ”
『本当にここまで、おぶって来てくれたんだ……』
ずっとずっと、会いたかった人がそこに居る。
よっぽど疲れてるんだなぁと思いながら髪に触れようと手を伸ばす。
「起きたか!」
急に起きる煉獄さんに驚きながら、伸ばした手を引っ込めようとする。
けれど、引っ込み切る前に煉獄さんが私の腕を優しく掴んだ。
「二日間も寝ていてとても心配した!目が覚めて良かった!」
そう、笑顔で言う。
「所で俺に何かしようとしていたか?」
『へ?あ、いやぁ あの……』
触ろうとしてましたなんて、馬鹿正直に答えられるはずもなく。
『お、起こそうとしました!しのぶさんに連れて帰れと言われたので……』
とっさに嘘を言ってしまった。
いや、まぁ…ちょっと触った後にちゃんと起こそうとは思ってたし?
あながち嘘じゃない、よね?
「む、そうかだったのか!」
納得したように頷く煉獄さん。
嘘ついてすみませんと心の中で密かに謝る。
『そう言えば、あの…助けてくれてありが…』
ありがとうございましたといい切る前。
煉獄さんが私の腕をそのまま引き寄せ、抱き締められる形になった。
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作者名:まの | 作成日時:2021年2月13日 13時