弱き者 ページ31
「A……A!そろそろ起きるんだ!」
煉獄さんの大きな声に、起こされる。
『……おはよう、ございます』
チュンチュンと、鳥のさえずりが聞こえてくる。
もう朝か、と目を擦る。
何だか懐かしい夢を見ていた気がする。
「今日も清々しい朝だ!Aも顔を洗ってくるといい!」
元気よくそう言う煉獄さんに言われた通りに、顔を洗いに行く。
ばしゃばしゃと冷たい水で顔を洗うと、一気に目が覚めてくる。
『ふぅ……』
一息ついて、煉獄さんの方へと戻る。
何となく煉獄さんの隣に腰を下ろす。
すると、肩に手を置きぐっと抱き寄せられる。
『どっ、どうしたんですか?』
昨日起きた事を思い出してどきどきと心臓が早まる。
「寝ている間、うなされていた。大丈夫か?」
そう言う煉獄さんは、心配そうに私の顔を覗き込んだ。
『大丈夫です!傷も完全に治りましたし、今日から私も任務です!』
「うむ!そうだな!」
私の言葉に、少しほっとしたような顔を見せる。
そんな煉獄さんを見て、私も何だかほっとした。
それにしても、今日で最後かぁ。
久しぶりに来れて良かったな……
また来れるといいな。
なんて考えながら、任務に行く準備を済ませる。
「カァカァ!任務ダ!
「む!Aの鴉か!」
『は、はい』
突然の伝令の声に驚いて体が跳ねる。
どうやらもう任務らしい。
「気をつけて行ってくるといい!」
『はい!』
煉獄さんに見送られながら、煉獄屋敷を後にした。
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作者名:まの | 作成日時:2021年2月13日 13時