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『お父、さん……?』



ぼろぼろと、父の体が崩れていく。



「大丈夫か!君!」



目の前には、炎の様な羽織をきた人。



『私…の、お父さんと…お母さんは……』



掠れた声で問いかける。


その人は、私に近づき膝を着く。



「……すまない、俺がもっと早くきていれば助けられた。君の両親を助けられなくてすまない」



その人は、そう何度も謝ってくれた。



『…………』



ぼろぼろと、消えていく父を見詰めると。


涙が、また溢れ出てくる。



恐怖と、憎しみと。


悲しさと、寂しさと。



色んな感情があるけれど。


私はお母さんも、お父さんも、大好きだから。


父の残った体をぎゅっと強く抱き締める。



『や……やだ、いかないで…消えないで!お父さん!…やだ……』



私がどんなに願っても、父の体は消静かに消えていった。

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作者名:まの | 作成日時:2021年2月13日 13時

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